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中国で大学卒業者が職業学校に逆流している。
中国の各学校は9月に新学期を迎えたが、浙江省の職業学校「技工院校」は今年、特殊な新入生を迎えた。それは就職しなかった大学卒業者で、スキルを身に着けて、自分の専門分野を変えるために、「逆流」する形で職業学校に入学している。浙江日報が伝えた。
その一人である劉浩宇(リウ・ハオユー)さん(23)は、杭州技師学院のコンピューター数値制御技術応用を専攻した学生の場合、初任給1万元(約21万円)からという情報を見て、入学することにしたという。杭州市のある大学の機械設計・製造学科を卒業した劉さんは、多くの企業に履歴書を送ったものの、気に入った仕事が結局見つけられなかった。ほとんどのポストの応募要項にはコンピュータ数値制御設備の操作に習熟していることなどが含まれており、その条件を満たすことができなかった。「これ以上就職活動を続けるよりも体系的に技術を学んだ方がいいと思った」という。
大学卒業者の職業学校への「逆流」は、企業の人材不足と大学生の就職難という矛盾した構造を改善するための一種のチャレンジとなる。浙江省の人的資源・社会保障庁や発展改革委員会、経済・情報化庁、教育庁といった20当局は7月、技工院校が現在の新入生募集を基礎として、未就職の大学卒業者を対象に全日制予備技師(技師)クラスを開設することをサポートすると発表した。
その後、浙江省の多くの技工院校が新入生募集案内を次々と発表した。今回、開設された学科は主に先進製造業やデジタル経済といった分野に集中しており、ほとんどが1~2年の全日制となっている。
取材では、ほとんどの新入生募集で、将来就職する場合の方向性や学科別の平均初任給を強調しており、職業教育の大きなメリットを際立たせる形となっている。データによると、浙江省の技工院校の卒業生の就職率は5年連続で98%を超えている。
浙江省の技工院校の大学卒業者を対象とした技師クラスの授業スタイルやカリキュラム設計は模索の段階であるものの、学生を実際の生産の場に送ることを重視し、企業の第一線で活躍する研究開発エンジニアや技術者を授業に招くなどして、人材育成が産業にニーズにマッチするよう取り組んでいる。
温州技師学院・学生工作処の周偉傑(ジョウ・ウェイジエ)処長は、「こうした学生は、理論的基礎はすでに築かれているため、モデル転換する今の産業が切実に必要としている学歴とスキルを兼ね備える素養の高い複合型人材を育成できると期待されている。この新たな競争の場を通して、一人でも多くの大学生が益を受けることを願っている」と話した。
21世紀教育研究院の熊丙奇(シオン・ビンチー)院長は、「大学卒業者の職業学校への逆流という現象は、今後しばらくの間続くかもしれない。学歴を重視し、スキルはあまり重視しない伝統的な観念を変えて、一人でも多くの若者が積極的にスキルを身に着けるよう働きかけなければならない。社会はさらに多くの技術を持つ人材を必要としており、技術を身に着けて一人前になるというのが、青年にとって、仕方なくする選択ではなく、理性的な選択となっている」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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