劇場版「チェンソーマン レゼ篇」台湾興収が6億円突破、残酷なロマンスを解説―台湾メディア

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9日、台湾の女性ファッション誌・Bella儂儂は、劇場版「チェンソーマン レゼ篇」の残酷なロマンスについて解説した記事を掲載した。 写真はチェンソーマン。

2025年10月9日、台湾の女性ファッション誌・Bella儂儂は、劇場版「チェンソーマン レゼ篇」の残酷なロマンスについて解説した記事を掲載した。

記事はまず、「劇場版『鬼滅の刃』無限城編のアニメブームを受け、劇場版『チェンソーマン レゼ篇』は公開直後から勢いを増し、台湾の興行収入はすでに1億2000万台湾ドル(約6億円)を突破。近年最も成功したダーク系アニメ映画の一つとなった。原作は連載当初から高い人気を誇り、アニメ化の際には世界的な話題を呼んだ。同作は、原作の短くも衝撃的な章に焦点を当て、恋愛、裏切り、暴力を融合させ、藤本タツキ作品特有の残酷なロマンスを表現している」と述べた。

続けて、「『チェンソーマン』の魅力は、暴力的爽快感と感情的共鳴という、観客の二つの欲求を同時に満たす点にある。主人公・デンジは強大な『チェンソーの悪魔』の力を持っているが、それでも愛されたいと願う少年である。その純粋で不器用、誠実かつ極端な性格が視聴者の心をつかんで離さない。さらに同作では、この人間性と欲望の衝突が強調され、残酷なロマンスを通して、人間が欲望と裏切りの間でいかに脆弱(ぜいじゃく)であるかを浮き彫りにしている」と説明した。

記事は、「テレビアニメ版『チェンソーマン』の中山竜監督は、写実的なカメラワークと映画的な質感を強調しすぎたとして一部で議論を呼んだ。しかし劇場版は、同じく経験豊富な吉原達矢監督が担当し、作品のトーンを大きく転換。原作漫画の緊張感と狂気が前面に押し出された。線はより鋭く、色彩はより強烈に、戦闘シーンはさらに狂気的で、ほぼ制御不能のレベルにある。監督は写実的な光と影を意図的に薄め、漫画のコマ割りの極端な構図で藤本氏の描く暴力性を再現した」と言及した。

また、「同作はシリーズの中でも特異な章である。デンジは謎の少女・レゼに出会い、久しく忘れていた優しさとロマンスを感じる。2人は一緒にコーヒーを飲み、学校を探索し、花火を見て、将来の話を語り合う。その光景は、この作品が血みどろの物語であることを忘れさせるほどだ。しかし、このロマンスは罠(わな)であり、レゼの正体はデンジの『チェンソーの心臓』を奪うために送り込まれたスパイだった。真実が明かされた瞬間、温もりは一瞬で崩壊し、愛と殺りくの境界が引き裂かれる」とした。

さらに、「戦闘シーンは、『チェンソーマン』特有の狂気と混沌(こんとん)の美学で満ちている。 チェーンソーがうなり、血しぶきが飛び散る。映像が切り替わる中で、独特のリズムが生まれる。レゼが首のピンを引き抜き『爆弾の悪魔』へと変貌する瞬間は、息をのむほどの緊張感だ。彼女は優雅でありながら残酷。爆発と飛び散る破片の描写は、まるで暴力的なバレエのようである。すべての戦闘は極限の緊張感の中で人間性の葛藤を描いている」と論じた。

加えて、「同作が忘れ難い理由は、物語がハッピーエンドでない点にある。理解されない愛、果たせぬ任務、2人は運命に翻弄(ほんろう)され、同時に犠牲者となる。レゼは残酷な状況の中でもわずかな優しさを失わず、デンジの無邪気さと柔らかい感情は、血と花火の中で灰となった。この『許されぬ愛』こそが、ロマンスを爆発のように描き出す藤本作品の核心であり、短く、激しく、しかし永遠に心に残るのだ。レゼは確かに心を動かした。しかしデンジは二度と彼女に会えない。その喪失の瞬間が、永遠に語られぬ悲しみとなったのである」と強調した。

そして、「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の大ヒットを受け、藤本氏の初期短編集『藤本タツキ 17-26』がアニメ化されることが決定した。同作はPART-1とPART-2に分かれ、台湾では10月17日から30日までの2週間限定上映となる。PART1には『庭には二羽ニワトリがいた。』『佐々木くんが銃弾止めた』『恋は盲目』『シカク』の4編が収録される。これらの作品は、若き藤本氏の原始的な創作衝動狂気、純粋、鋭さ、そして優しさをそのまま封じ込めたものである。特に『庭には二羽ニワトリがいた。』と『シカク』の2作は、富川国際アニメーション映画祭の短編コンペティション部門にダブルノミネートされ、世界のトップアニメーションと肩を並べる。日本アニメーションの新たな熱波を再び巻き起こすだろう」とまとめた。(翻訳・編集/岩田)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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