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9日、環球時報は、高市早苗氏が新たな自民党総裁に選ばれたことについて、中国の専門家による評論記事を掲載した。画像は高市早苗X(@takaichi_sanae)より。
2025年10月9日、環球時報は、高市早苗氏が新たな自民党総裁に選ばれたことについて「日米関係は三重の試練に直面するだろう」とする、中国国際研究院の項昊宇(シアン・ハオユー)氏による評論記事を掲載した。
記事は、高市氏が自民党総裁に選出され、首相に就任する見込みとなって以降、その対外政策が注目を集めていると紹介。10月下旬にトランプ米大統領が訪日予定で、高市氏にとって外交手腕と日米同盟に関する最初の試金石になる可能性があるとした。
また、高市氏のタカ派的な姿勢は一見米国の政治的変化や地域戦略目標とある程度一致しており、安倍晋三元首相の「後継者」を自認していることからトランプ大統領との距離を縮める可能性がある一方で、歴史修正主義的な右翼立場、日本国内の政局不安、日米間の潜在的な貿易摩擦が日米関係に三つの側面から試練をもたらすリスクをはらんでいると論じた。
まず、歴史修正主義による戦略的信頼の揺らぎを挙げ、靖国神社参拝や日本の侵略戦争を「自衛」とする高市氏の主張が米国の戦後秩序観と根本的に相いれないと指摘。過去には安倍氏の靖国参拝が米国の批判を招いた例もあり、高市氏が同様の行動を取れば韓国の反発を含めて日米韓の三国同盟体制に打撃を与える可能性があるとした。
次に、通商政策における日米協調の困難を挙げた。項氏は、高市氏の掲げる経済ナショナリズムがトランプ大統領の「米国優先」政策と本質的に衝突すると指摘。高市氏は石破政権下で締結された「日本が米国に対し自動車や農産品の市場開放と5500億ドルの投資を約束する」という関税協定に批判的で、最交渉を示唆しているものの、その実現には困難が伴うとの見方を示した。
さらに、安全保障政策の急進性も試練を招く要素になると主張。高市氏は憲法9条の改正、自衛隊の「国防軍」化、防衛予算の大幅増加、さらには米国の核兵器の日本国内配備に関する議論まで提起しており、米国が同盟国の防衛責任増加を求めているとはいえ、過度な急進性は米国の地域戦略を混乱させる恐れがあると論じた。
項氏はこれら3点に加えて、高市氏の対中強硬姿勢が米国の対中政策と温度差を生む可能性にも言及。特に台湾問題で高市氏が「冒険」をすれば、地域紛争を引き起こし、トランプ政権の「力による平和」戦略に反する結果を招きかねないと警鐘を鳴らした。
そして、高市氏がタカ派的姿勢を貫いたことで中韓との関係を悪化させ、米国との間にも軋轢を生じた場合、日本は戦略的に孤立する可能性があると指摘。そうなれば東アジアにおける日本の影響力が大きく損なわれる恐れもあると結論づけた。(編集・翻訳/川尻)
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