拡大
自民党は総裁選の投開票を行い、高市早苗前経済安全保障担当相(64)を総裁に選出した。15日にも召集される臨時国会で第104代首相に指名される見通しだ。
2025年9月4日、自民党は総裁選の投開票を行い、高市早苗前経済安全保障担当相(64)を総裁に選出した。決選投票で小泉進次郎農林水産相(44)を下し、自民党初の女性総裁に就任。15日にも召集される臨時国会で第104代首相に指名される見通しだ。女性首相は史上初。
高市氏は1回目投票で、183票を獲得しトップに立ち、小泉氏が164票で続いた。2人による決選投票でも、小泉氏を上回って勝利した。
「保守層」を意識した主張が持論で、党員の支持を広げたが、外交や財政での「タカ派」的志向を警戒する声は内外で根強い。
高市氏は9月24日の日本記者クラブ主催の総裁候補選討論会で「日米同盟と共に日米韓の安全保障協力を深化させなければならない。中国とロシア、北朝鮮の接近は危機的な状況で、日韓関係も深化させていく」と指摘。その上で、中国についても「懸念事項はあるが率直に対話を重ねていく姿勢で臨む」と中国に対し関係改善に取り組む方針を明らかにした。
持論の靖国神社参拝の可能性について、「適時適切に判断する」と明言を回避。「靖国神社は戦没者慰霊の中心的施設」とした上で、「いかに戦没者を慰霊するか、平和を祈るか、適切に判断する必要がる。外交問題にされてはいけない」と述べた。
高市氏は経済成長重視の姿勢を貫き、刺殺された安倍首相が主導したアベノミクス継承者を自認。積極財政・金融緩和路線に舵を切ると見られる。4日の総裁選決選投票前の演説でも「経済成長を追い求めていく」と強く訴えた。
ただ財政規律面で不安視する経済関係者は多い。
2022年9月に英国のトラス首相(当時)が発表した、財源の裏付けが不明確な大規模な減税政策によって、英国の株安、債券安(金利高)、ポンド安の「トリプル安」が発生。この政策は市場の信頼を失墜させ、イングランド銀行(英中銀)による国債買い支えやトラス首相自身の辞任につながった。未曾有の財政赤字と債務残高(年間GDPの2倍以上)に直面している日本にとっても同様のリスクがあり、財源問題は切実な課題となろう。
政策通の高市氏は女性初の首相として、辣腕を振るうことになるが、党務についてはあまり経験がないのが不安要素。衆参両院とも少数与党に陥っている、厳しい政治状況が続く。早急に野党との連携・連立拡大に取り組まなければならないが、前途は多難と言わざるを得ない。(八牧浩行)
Record China
2025/10/3
Record China
2025/10/3
Record China
2025/10/3
Record China
2025/10/3
Record China
2025/10/3
Record China
2025/10/3