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2日、第一財経は「中国の半導体産業は世界市場に挑戦する準備ができているか?」と題した記事を公開した。写真は中国半導体。
2025年10月2日、中国メディアの第一財経は「中国の半導体産業は1兆ドル(約148兆円)の世界市場に挑戦する準備ができているか?」と題した記事で、中国の半導体産業の現状を分析した。
記事は初めに、中国の半導体装置メーカーAMEC(中微公司)の尹志尭(イン・ジーヤオ)董事長が29日に開かれた投資プラットフォーム「上海智微資本」の第1号ファンド「上海智微攀峰基金」の設立記念式典で、中国の半導体産業がチャンスと挑戦が共存している高速成長期に入ったと語った事に言及し、「尹氏が語った機会の規模は数兆ドルの価値がある。デロイトの報告によれば、世界の半導体産業の売上高は、今年過去最高の6970億ドル(約102兆7000億円)に到達し、5年後の2030年には1兆ドル(約148兆円)の大台を突破するとみられる。一方で中国半導体産業はスタートに出遅れたこと、さらに直近2年間で投資額が減少している課題を抱えている」と述べた。
記事はAMECについて、「中国半導体設備のリーディングカンパニーとも言える存在で、現在の時価総額は1800億元(約3兆7300億円)を超え、過去14年間で売上は年平均35%以上の成長を続けているだけでなく、一部のエッチング装置や薄膜(はくまく)製造装置では世界の最新レベルにある」と紹介した上で、「実際の所、直近2年間で中国半導体産業の投資や資金調達は活発ではなかった。中国の調査会社CINNO Research(シノ・リサーチ)のデータによると、24年の台湾を含む中国の半導体関連プロジェクトの投資総額は、前年比4割減の6831億元(約14兆1400億円)で、25年上半期は前年比1割減の4550億元(約9兆4200億円)だったという。ウエハー製造やチップ設計、半導体材料、パッケージテストなどの分野で投資が減少するなか、半導体製造装置のみ50%の投資増で、唯一の成長を実現している」と述べた。
最後に記事は「中国で半導体投資が減速している一方、世界の半導体産業規模は急速に拡大している。デロイトの報告によると、24年の世界の半導体市場の総売上高は前年比19%増の6270億ドル(約92兆4100億円)となり、25~30年の年平均成長率が7.5%を維持すれば、世界の半導体産業の売上規模が1兆ドルを突破する可能性がきわめて高く、40年には2兆ドル(約296兆円)に達するという。現在の半導体産業の構造と価値は急速にAI(人工知能)関連製品へ傾斜しており、中国もこのブームの恩恵を受けている。また、テスラがModel 3で大量採用したことがきっかけで、BYDをはじめとする国内外の新エネルギー車メーカーにも普及した炭化ケイ素(SiC)も、用途は自動車にとどまらず、ロボットの関節駆動部に関連製品が使われるなど、炭化ケイ素関連産業の発展も例えばBYDのような新エネ車の市場を保有する中国企業にはチャンスとなり得る」とした上で、「中国の半導体産業はスタートに出遅れたが、包囲網の中で徐々に成長を遂げてきた。来たる1兆ドル規模の世界市場で、一角を占める中国企業は現れるだろうか」と論じた。(翻訳・編集/原邦之)
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