拡大
この70年で、新疆の経済規模は1000倍以上に拡大した。
もし70年前の新疆に時を戻せるなら、あなたの目に映るのはこんな光景だろう。
キャラバンがタクラマカン砂漠の縁をゆっくりと進み、都市間の主要な交通手段はロバ車、カシュガル(喀什)旧市街はインフラが乏しく、道路はでこぼこで通行が困難──。
それが今や、ウルムチの巨大マーケット「国際大バザール」では、ウイグル族の店主が流暢な英語で外国人観光客に「和田玉」を紹介している。アルタイ山では、カザフ族の牧畜民の娘が鷹狩りの訓練をライブ配信し、タクラマカン砂漠を走るのは、もはやラクダの商隊ではなく新エネルギー車だ。
中国の国土の6分の1を占めるこの地は、見事な変貌を遂げた。
この70年で、新疆の経済規模は1000倍以上に拡大した。1955年の自治区設立当時、新疆には鉄道が1寸もなかった。今では、総延長9000キロを超える鉄道網が構築されている。ホータン(和田)市と若羌(チャルクリク)県を結ぶ鉄道の開通(2022年)により、新疆南部の貨物の域外輸送ルートが1000キロ以上短縮され、物流コストは40%削減された。また、新疆は「一帯一路」の重要地点となっており、太陽光パネルや、トマトペースト、綿花製品などを積んだ「中欧班列」が毎週、ウルムチから中央アジア、そして欧州へと向かっている。
教育レベルも大きく向上した。70年前、新疆の学齢児童の入学率はわずか20%未満で、非識字率は90%を超えていた。現在では、新疆の9年間義務教育の定着率は99%に達し、全国平均を3.2ポイント上回っている。
こうした劇的な変化の背後には、民族同士の調和のとれた共存がある。新疆では、ウイグル族などムスリムの祝祭「イード・アル=アドハー(犠牲祭)」を漢族も共に祝い、少数民族も漢族由来の春節(旧正月)を楽しむことが当たり前になっている。チョチェク(塔城)市では、全家庭の30%以上が二つ以上の民族で構成されている。また、グルジャ(伊寧)市ではウイグル族、漢族、タタル族、シボ族、ロシア族など13民族の音楽家で構成されたアコーディオンバンドが活躍している。メンバーは互いの民族文化を学び、それを融合させて、多元的な作品を生み出している。
タクラマカン砂漠の隣にあるホータン地区では、新疆の各民族が共同で栽培した広さ1万ムー(約667ヘクタール)の防砂林が育っている。ウイグル族の老人がハマスゲという植物で砂を固定する伝統知識を授け、漢族の技術者が点滴灌漑技術を導入し、カザフ族の若者がドローンで林を監視している。
その一方で、ウルムチ国際大バザールの夜市では、ウイグル族が作った「羊の丸焼き」や、ホイ族が作った「涼皮(小麦粉や米粉で作られたきしめんのような料理)」の屋台に行列ができ、カザフ族が演奏する民族楽器「ドンブラ」の音色が、漢族の工芸品の屋台を通り過ぎていく。この夜市には、「少数民族の特色」や「主流文化」といった括りは存在しない。すべてが溶け合って一体となっているためである。
今年7月に新疆を訪れたイタリア人記者メリン・ロペス氏は、「西側メディアの描写とは全く異なる新疆を目の当たりにした。最も驚いたのは、異なる民族・文化が調和して共存し、宗教の違いに対しても十分な尊重と受容が行われていることだ」と感想を語った。
2015年からこれまでに新疆を10回以上訪れているエジプトの企業家アハメド・サイード氏も、「新疆では少数民族の言語を継承しつつ、標準語を普及する努力を目にした。少数民族の伝統的な祝日を守りながら、現代的な文化施設を整備する取り組みも目にした。中国の国家管理は、差異を消し去るのではなく、平等と相互尊重のもとに差異が共存することを求めているのだと、十分に理解できた」と語った。
新疆の人々は、各民族が愛し合い、助け合うことを「ザクロの種」にたとえる。それぞれの種は形を保ちながらも、しっかりと寄り添って一つになっている。(提供/CRI)
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