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25日、台湾メディア・中時新聞網は、「内巻(内部競争)化」がまん延する中国本土において、日本の「失われた時代」が再現される可能性があると専門家が警告していることを報じた。
2025年9月25日、台湾メディア・中時新聞網は、「内巻(内部競争)化」がまん延する中国本土において、日本の「失われた時代」が再現される可能性があると専門家が警告していることを報じた。
記事は、中国でここ数年「内巻(involution)」という言葉が流行していると紹介。米紙ニューヨーク・タイムズによると、この言葉はもともと米国の文化人類学者がインドネシアの悪循環を説明するために提唱した学術用語であり、当初中国国内では学生間の過酷な競争を指していたが、今や経済全体の停滞と過当競争を示す言葉になったと解説した。
そして、象徴的な「内巻」の事例として電気自動車(EV)やリチウム電池、太陽光パネル産業を挙げ、現在の中国にはEVメーカーが100社以上、リチウム電池・太陽光パネル企業が数十社存在しており、生産能力が市場の需要をはるかに超過していると指摘。業界では悪質な価格競争による経営悪化や不良債権化がまん延していると紹介した。
その上で、中国政府もこの問題を「内巻化」による悪影響と捉えており、今年の重要会議で初めて「内巻問題の解決」を核心目標に掲げたと紹介。企業には価格の安定を、地方政府には補助金の削減、さらには赤字企業の救済停止まで要求し、中でも太陽光パネル業界では、価格競争を緩和するために「カルテル」の結成まで検討されていると伝えた。
一方、巨大な生産能力過剰の根本原因が長期間にわたる投資主導の成長にあると指摘する専門家からは、政府の「内巻」対策が「対症療法にすぎない」という懐疑的な見方も出ていると伝え、減税や年金・医療保障の拡充を通じて個人消費を刺激することが、「内巻」を緩和する唯一の道という専門家の提言に対し、国のコントロールが弱まることを恐れる中国政府は素直に従えない状況になっていると論じた。
記事は、専門家が中国政府の「反内巻」政策について、海外からの「生産能力過剰、ダンピング輸出」という批判をかわすための隠れみのでもあると分析し、もし構造改革を断行しなければ、中国経済は「失われた時代」と呼ばれた1990年代の日本のような長期的な停滞の後を追うことは避けられないと結論づけたことを紹介している。(編集・翻訳/川尻)
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