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日中首脳会談、3年ぶり開催へ=尖閣・靖国は踏み込まず、「戦略的互恵」「不測の事態回避」を重視―日中外交筋

配信日時:2014年10月22日(水) 5時7分
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北京で11月10日に開幕するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際、懸案の日中首脳会談が約3年ぶりに開催され、関係打開が図られる見通しだ。日中外交筋が明らかにした。実質的な問題にはあまり踏み込まず、象徴的な意義が大きいものとなるが、これを機に双方が日中の「戦略的互恵関係」を推進し、経済、文化、環境、学術など各分野で協力する契機となると期待されている。

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日中間では外務省が外交ルートで水面下での接触を続ける一方、政財言論界各レベルの交流が頻繁に行われ、外相、財務相、経済貿易相など閣僚レベルでも対話が実現するようになった。特に岸田文雄、王毅両外相は8月以来2回も会談し、打開に向けた協議を進展させた。

中国に信頼の厚い福田康夫元首相が7月下旬に訪中し、習主席と会談したことは、関係改善に大きく寄与した。安倍首相も8月15日の終戦記念日の靖国参拝を自粛した。習近平国家主席は9月上旬、「中日友好とアジアの安定という大局を守る立場から、歴史問題を適切に処理し平和発展の道を歩むべきだ」と指摘。その上で、「中国政府と人民は中日関係の長期的な安定と発展を望んでいる」と強調した。「中日関係の発展への期待」を公式的に初めて表明したもので、対日批判一辺倒の姿勢を転換したと受け止められている。

安倍晋三首相は10月8日、「中国も関係改善に以前よりも積極的になってきている」との見解を表明。既に中国側に会談実現への強い希望を伝え、中国側もこれに積極的に対応しているという。

尖閣諸島を巡っては、日本は「日本の固有の領土であり、領有権問題は存在しない」と主張している。一方、中国は領有権を主張し、領有権問題が存在することを日本が認めるよう求めている。

日中外交筋によると、安倍首相が会談の際に(1)尖閣諸島は日本固有の領土である、(2)中国が独自の主張をしていることは承知している―と伝える方向で、打開の道を探っている。もう一つの焦点である安部首相の靖国神社参拝では、既に春の例大祭、秋の例大祭とともに参拝を見送ったことを強調することで中国側に配慮する。

日中が東シナ海で軍事衝突する「不測の事態」の回避策も首脳会談のテーマとなる。中国が尖閣に侵入しなければ、日本も出動し、スクランブルをかける必要はない。緊急時における海上連絡メカニズムは既に事務当局間で詰められており、首脳同士が不測の事態回避で正式に合意できれば、緊張緩和につながる。

日中両政府は経済担当閣僚が集まる「日中ハイレベル経済対話」を再開することで一致しており、日中首脳会談で正式合意する。早ければ来年中の開催を目指す。日中経済対話は2010年8月に北京で開いて以来、中断していた。

アジア欧州会議(ASEM)に出席するためイタリアを訪れた安倍晋三首相は10月16日、中国の李克強首相とあいさつし、握手を交わしており、日中首脳会談のお膳立ては整いつつある。(八牧浩行)

■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役、編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。現在、日中経済文化促進会会長。Record China相談役・主筆。著著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」など。 ジャーナリストとして、取材・執筆・講演等も行っている。
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