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22日、独ドイチェ・ヴェレは、カナダ発祥のアウトドアブランド・アークテリクスが中国人アーティストと組んでチベット自治州にて実施した花火ショーが物議を醸していると報じた。
2025年9月22日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、カナダ発祥のアウトドアブランド・アークテリクスが中国人アーティストと組んでチベット自治州にて実施した花火ショーが物議を醸していると報じた。
記事は、中国の芸術家・蔡国強(ツァイ・グオチアン)氏と、中国企業アンタに買収されたアークテリクスが共同で19日にチベット自治州のヒマラヤ山中で大規模な花火パフォーマンス「昇龍」を開催したところ、「山を爆破する」ような演出が「芸術性に欠け、生態環境を破壊するものだ」として、多くの人から激しい批判を浴びていると伝えた。
そして花火の内容について蔡氏が「人と自然、宇宙との対話」を目的としたことを説明し、アークテリクス側も「環境に配慮した生分解性素材を使用し、事前に動物を避難させた。環境修復措置の準備もしている」と主張していることを紹介した。
一方、地元のシガツェ市生態環境局職員は当初、「環境への破壊は今のところない。手続きは合法で、環境影響評価は不要だった」と説明していたものの、市政府が21日に調査チームを立ち上げ、調査結果に基づき法的に対処すると発表するなど、行政の態度が変化したことを伝えた。
その上で、チベット人の詩人ツェリン・オーセル氏が花火について「地元の文化と自然を全く尊重しない、赤裸々な文化的植民地行為だ」と痛烈に批判、特にショーの中で見られた「龍はチベット文化の延長」という解釈について「全くのでたらめだ」と断じたことを紹介した。
また、芸術家の艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏がXで環境への影響以外に「漢民族文化がチベット人に対して長年行ってきた横暴さ、傲慢(ごうまん)さ、文化的な浸食が見過ごされている」と指摘したことを併せて報じた。
記事は、炎上が続く中で花火の主催者が関連のPR映像を削除し、21日に謝罪声明を発表したと紹介。アークテリクスも微博アカウントを通じて「高山文化への関心という当初の目的から逸脱してしまった。芸術表現の境界線について、より専門的な評価が必要だった」と謝罪し、蔡氏も配慮不足をわびるとともに当局の調査に協力する姿勢を示したと伝えた。
一方で、アークテリクスの謝罪には「内外差」があることも指摘。微博での婉曲的な表現とは対照的に、国外向けのフェイスブックでは「われわれのブランド価値とは完全に正反対の出来事だ」と、より直接的かつ厳しい言葉で事態を断じていたとし、この対応の違いが企業の二枚舌的な姿勢ではないかとして、さらに火種となりうることも示唆した。
記事によると、蔡氏がこれまでにもたびたび花火作品で物議を醸しており、2014年の上海でのパフォーマンスでは大気汚染を引き起こしたとの批判を受け、11年の台北101での花火ではその出来栄えの悪さが議論を呼んだという。(編集・翻訳/川尻)
アークテリクスと中国人アーティストのチベットでの花火ショーが物議 pic.twitter.com/4DJ2gB70KF
— レコードチャイナ (@recordchina) September 22, 2025
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