城ケ崎海岸で女性を救助した中国人観光客「日本の救助隊員から敬意」、妻「日本人観光客からも感謝」

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静岡県の城ケ崎海岸で海に転落した女性を救助した中国人観光客の男性が、当時の詳しい状況を語った。

静岡県の城ケ崎海岸で海に転落した女性を救助した中国人観光客の男性が、当時の詳しい状況を語った。中国メディアの北京青年報が20日に報じた。

報道によると、事故があったのは16日。現場で撮影された映像には、海に転落した女性に対し、周囲から「もうすぐ助けが来るからね!」などと声が上がる様子が映っている。その後、泳いできた男性が女性を岩場まで移動させ、最終的に地元の救助船に引き上げられ病院に搬送された。

男性は陝西省から妻とともに日本に来ていた54歳の楊波(ヤン・ボー)さん。来日したのは8月29日だといい、日本で生活する子どもに会うついでに各地を観光していたという。

楊さんによると、現場にいたところ突然、日本語の叫び声が聞こえたため見に行ってみると、若い女性が海に仰向けで浮いていた。「最初は泳いでいるのかと思った」というが、すぐに異変に気付いた。周囲の人からはロープが結ばれた救命用の浮き輪が女性に向けて投げられていたという。

楊さんは、「ロープが短すぎてあれでは救助できない。海風が吹けばすぐ流されてしまう」と思ったといい、「誰かが下に降りて、浮き輪を届けてあげないといけない」と思うや、周囲の人と相談することなく、すぐに柵を乗り越えて崖を下り始めた。

一緒にいた妻の孫さんは、「夫が下りていった崖は30メートルくらいの高さがあり、下では波が非常に荒れていた」と回想。夫が命懸けで救助に向かうのを見て、心配と恐怖のあまり泣き出してしまったという。

楊さんは、崖を下りていく途中に危険な箇所があり、そのまま海に飛び込むことも考えたが、岩礁があることを考えてリスクが大きいと断念。岩の割れ目をつかみながら慎重に下りていった。崖下に到着すると上着を脱いで海に入った。海面には誰かが投げ込んだ、ペットボトルがたくさん入ったネット状の袋が浮かんでいた。楊さんはそれをつかんで女性の元へ向かった。

楊さんは「彼女はうつぶせの状態で小さく痙攣していた。急いで仰向けにして上半身をペットボトルの上に乗せて口と鼻を水面から離すようにした。そのまま、彼女を引っ張って岸の方に泳いだ」と振り返った。

当時、波の高さは1~2メートルほどあり、何度も大きな波に飲まれて引き戻された。楊さんは先月に鎖骨を手術していたこともあり、力が入らなくなってきたが、女性の髪の毛を口でくわえて支え、けがをしていない方の手で岩をつかみながら岸へと近づいた。何度も繰り返すうちにようやく女性を岩場に引き上げることに成功したが、この時、楊さんの力もほぼ尽きていたといい「まるでマラソンを走り終えたような感覚だった」と語った。


その後、ほどなくして地元の救助船がやってきて女性と楊さんを順番に救助した。楊さんは「言葉は通じなかったが、日本の救助隊員が繰り返し親指を立てて敬意を表してくれた」と説明。孫さんも「船が岸に着いた後、多くの日本人観光客が夫に水やパンを差し出し、感謝の気持ちを伝えてくれた」と振り返った。

記事は最後に、地元の消防隊員が「旅行中にもかかわらず、自らの危険を顧みず勇敢に救助にあたってくれた」と楊さんに感謝の意を示したことを伝えている。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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