【観察眼】平和への信念が世界に響くように

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中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年を記念する特別な年、9月18日に映画『731』が世界各地で公開された。

中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年を記念する特別な年、9月18日に映画『731』が世界各地で公開された。

映画はハルビン平房区にあった「特設刑務所」を舞台に、行商人・王永章ら庶民の視点を通し、731部隊が「防疫研究」を名目に行った凍傷実験、毒ガステスト、生体解剖といった反人類犯罪の全貌を描き出す。趙林山監督が率いる制作チームは3年間をかけ、日本在住の元兵士らの証言を集め、100万字を超える当時の文書を調べ、ハルビン罪証陳列館に保管されていた黄ばんだ実験記録簿をスクリーンに再現した。

映画『731』のワールドプレミア上映は9月17日にハルビンで行われた。翌18日からは世界各地で上映が始まりました。北米では9月19日公開、韓国では11月公開が予定されており、その後、英仏独などでも順次公開が続く。英語のタイトル「EVIL UNBOUND」は直訳すると「境界なき犯罪」。これは731部隊の境界なき犯罪を現代的に解釈したものだ。ポスターに掲げられた「全球上映(全世界上映)」の四文字が象徴するように、この映画は歴史記憶をめぐる国境を越えた対話を広げ、日本の戦争犯罪に対する国際社会の認識を再構築しようとしている。

映画公開に対する日本のネットユーザーの反応は二極化している。「先祖の犯した罪に対して、ひざまずいて謝罪すべきだ」と反省を促す意見がある一方で、「もう3世代が過ぎた。なぜ今さら追及し、憎しみを煽るのか」といった否定的な声もある。このような意識の隔たりの背景には、日本政府の歴史教育の欠如がある。

日本政府の歴史問題に対する「曖昧戦略」には複雑な国際的背景がある。米国務省が1956年に機密解除した文書によれば、米側はすべての人体実験データの提供を条件に、石井四郎ら731部隊の幹部を免責した。冷戦期の政治取引は、東京裁判に歴史の空白を生み出し、それはいまだに埋められることなく残っている。日本のNHKテレビが2017年8月に放送したドキュメンタリー番組でも、米国の庇護の下で、731部隊の隊員のほとんどが処罰を免れた事実が明らかにされている。

近年、中国は731部隊跡地の「世界記憶遺産」登録を申請したが、さまざまな抵抗に直面した。これは、歴史修正主義が今なお国際的な共通認識を歪め続けていることの証左でもある。

血塗られた記憶は、ナショナリズムを煽る燃料ではなく、人類文明を守る「ワクチン」になるべきだ。ユネスコが発表した2024年『グローバル記憶報告書』は、第二次世界大戦の暴行に対する集団記憶は、地域紛争の発生率を32%下げると指摘している。映画『731』のポスターに掲げられた「平和の信念を世界に響かせる」というスローガンが示すように、「境界なき犯罪」に直面するとき、真実を守る責任もまた国境を越えて共有されるべきである。歴史の空白は、嘘で覆い隠すのではなく、事実によって埋めなければならない。(提供/CRI

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