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名古屋は「地味だ」と言われてきたが、今や状況は変わった。
名古屋は「地味だ」と言われてきた。だが、今や状況は変わった。研究開発の厚みと暮らしやすさの両方で高得点をたたき出し、国内ランキングで総合2位に。7年前の「魅力に乏しい都市」という烙印を返上して、ついに「名古屋スゴイ」と呼ばれる日がやってきた。
森記念財団の「日本の都市特性評価(JPC)2025」は、日本の主要159都市を対象にした年に一度の大番付だ。東京が別格として脇に置かれているのは、いささか「東京とその他多数」という日本の国情を露呈しているようでもあるが、それはさておき今回の調査結果で主役を担ったのは大阪、名古屋、福岡だ。
大阪は万博効果もあって堂々の首位。だが、もっと視線をさらったのは名古屋で、研究・開発5年連続1位、生活・居住でもトップ。あたかも二刀流のように、産業と暮らしの両方で大きな存在感を示している。
もちろん、ここまでの道のりは平坦ではなかった。昭和期には五輪招致に至らず、「通過都市」「偉大なる田舎」と散々な言われようだった。愛知万博(2005年)の成功後も大きな飛躍のチャンスにはならなかったと見えて、2018年には名古屋市が実施した日本の主要都市の魅力度調査で最下位という烙印を押されてしまう。
同調査で環境分野は127位。レジャー目的地としての訴求力も低く、「買い物に行きたい街」には選ばれなかった。これには名古屋市民自身が「地元を誇らない」気質を持っていることが反映されたという指摘もある。たしかに、「よそ者が押し寄せてこない」ことに「しめしめ」と思うのが、地元愛にあふれる名古屋人の愛嬌という見方もありそうだ。
ところが、令和に入り、潮目が変わる。もともと強みとしていた製造業と大学の研究力に加え、子育て支援、教育制度、交通網の整備が進み、生活・居住分野の評価で全国首位になったのだ。
研究者もファミリー層も集まり、名古屋には暮らしやすさのイメージが定着している。かつては「名古屋をディスる」ことに熱心だったインフルエンサーは少なくなかったが、今や影を潜めている。冷笑より実利という都市像が浮かび上がっている。
テコ入れが必要とされてきた国際交流でも進展があった。その力を測る物差しは、国際会議や展示会だけではなく、身近なテーマパークもまた立派な指標だ。名古屋にはレゴランド、そして隣接する長久手市にはジブリパークがある。観光の文脈でのブランド力は確実に高まっている。
レゴランドについては2025年7月、上海に世界最大規模(名古屋の3倍)が開業したが、それでも名古屋は健闘している。どうやら背景には入場料が手頃であることも関係していそうだ。開園当初「高すぎる」と批判された名古屋レゴランドも、今や主要テーマパークの中では割安感がある。親子連れの笑顔が国境を越え、ブロックのように国際交流のピースを積み上げている。
こうして名古屋は「魅力度に乏しい」という7年前の汚名を返上し、着実に国内での地位を固めている。次は世界の視線にどう応えるかだろう。
森記念財団が毎年発表する「世界の都市総合力ランキング」には東京、大阪、福岡の3都市が対象に選ばれる一方で、名古屋は除外されている。しかし、そんな名古屋パッシングもそろそろ幕を引く時期にさしかかっているといえそうだ。(提供/邦人NAVI-WeChat公式アカウント・編集/耕雲)
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