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独メディアの南ドイツ新聞はこのほど、「『チャイナスピード』はうらやましいものではない」との評論記事を掲載した。
独メディアの南ドイツ新聞はこのほど、「『チャイナスピード』はうらやましいものではない」との評論記事を掲載した。
記事は、「現在のドイツの競争力に関する議論のほぼすべてが中国と比較される形で語られている」と指摘。「中国では新しい建設プロジェクトが数カ月で立ち上がるのに対し、ドイツでは数年、場合によっては十数年かかる。この『チャイナスピード』は多くの人が羨望するものだ」とした。
一方で、「中国経済の表面を少し掘り下げてみると『チャイナスピード』は必ずしも成功モデルではなく、単なる幻想にすぎないことがすぐに分かる」と言及。「多くのドイツ企業家が経済上の諸問題の解決策であると考えるこのスピードは、むしろ中国経済を袋小路に追い込んでいる」と主張した。
そして、「ドイツがスピードを加速させたいと思うなら、同じ過ちを犯してはいけない。スピードを実力と誤解してはならない。経済活動においてスピードは確かに重要だが、代償を顧みずに追求すれば逆効果となり、需要もないのに盲目的にプロジェクトを進め、補助金で産業バブルを膨らませ、過剰な生産能力が市場をあふれさせることになる。中国はその実例を示している」と論じた。
また、「この問題は不動産業界で最も顕著に表れている」と指摘。「不動産業は中国の成長エンジンと見なされ、高速で整然と建設されていく開発プロジェクトは産業の熱を後押ししてきたが、現在では多くの新築物件が空室のまま。恒大のような企業が破綻し、スピードはすでにバブルとなり、中国の人々の信頼を長期にわたって揺るがしている」とした。
記事は、太陽光発電、電池(バッテリー)、電気自動車(EV)などの分野においても同様の状況が見られるとも言及。「国による支援を受けた産業が盲目的に投資・拡張を行い、地方政府は成長とスピードを追求すれば良いと考えた結果、過剰な生産能力が生まれ、企業は価格競争と利益減少という悪循環に陥り、地方政府の債務も膨らんでいる」と指摘した。
そして、「スピードの追求が目的になっている。短期的には目を見張る業績を上げても、長期的には膨大な過剰生産能力、非効率な構造、巨額の債務を残すことになる。中国経済が崩壊したわけではないが、現時点では『チャイナスピード』のパラドックスを持続的に解決する方法は見えていない」とし、「ドイツで『チャイナスピード』を称賛する人はよく考えるべきだ。中国の前例のないスピードでの台頭は、ドイツにとって解決策ではなく警告である。誰であれ、高速で誤った方向に進めば、大きな困難に陥るのである」と論じた。(翻訳・編集/北田)
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