過去半月の世界での報道を見渡すと、「グローバルガバナンス・イニシアチブ」は注目のキーワードだった。ビッグデータ分析によれば、中国の習近平国家主席が9月1日に上海協力機構天津サミットでこのイニシアチブを提起すると、翌日には世界におけるこの言葉の検索数がピークに達し、その後も高い関心度を維持し続けた。多くの国の指導者が連日にわたりこの構想に支持と賛同を示し、中国が世界のガバナンス体系の改善により大きく貢献することを歓迎した。このように世界から注目された背景には何があるのか。「時」「勢」「人」の三つの角度から見てみよう。

第1の角度である「時」では、時節を得ていることがある。

グローバルガバナンスが機能するかどうかは、現実の問題を解決できるかにかかっている。

グローバルガバナンス・イニシアチブは時代の弊害に的を絞り、現実の問題を解決するものだ。現在は「百年に一度の大変革」が加速しており、一部の国は覇権主義や保護主義を推し進め、第二次世界大戦後に国連の設立とともに形成された国際秩序を深刻に揺るがしている。また、グローバルサウスの台頭が進んでいるが、現行の国際ガバナンスのメカニズムにおいては、グローバルサウスの発言力は著しく不足している。さらに、気候変動、デジタル格差、人工知能、宇宙空間の管理など、新旧の世界的な課題が重なり合い、国際社会にとっては有効なガバナンスのメカニズムを共に構築することが急務になっている。

多くの国の指導者グローバルガバナンス・イニシアチブの鮮明な時代性に注目し、このイニシアチブは現行のグローバルガバナンス体制の問題を解決する鍵であるとみなしている。一部の分析者は、グローバルガバナンス・イニシアチブは深刻化しつつある世界の管理方法の欠落に正面から向き合い、包括的かつ体系的な解決策を提示しており、非常に時節を得ており、かつ非常に重要で、現代の世界の喫緊の必要性に合致するものと指摘した。

第2の角度である「勢」では、大きな勢いに順応していることがある。

グローバルガバナンスが機能するかどうかは、時勢に即しており長期的な視野を持っているかにもかかっている。

現在は国際的な力のバランスが大きく変化しつつあり、新興市場国や多くの発展途上国が台頭している。しかし、現行の国際メカニズムはこの深い変化を反映しておらず、広範な発展途上国の代表力や発言権が十分ではない。

グローバルガバナンス・イニシアチブに含まれる「主権平等の尊重」「国際法の順守」「多国間主義の実践」といった重要な理念は、グローバルサウスの声をより強く響かせることを目的としている。だからこそ、グローバルサウス諸国が熱烈に反応したのだ。

第3の角度の「人」について言えば、人々の心に響くことがある。

グローバルガバナンスとは突き詰めれば、各国の人々のより良い生活を望む気持ちを現実のものに変え、すべての人が豊かで健やかな暮らしを享受できる世界を共に築くことが目的だ。グローバルガバナンス・イニシアチブは「人中心の理念」を提唱し、各国の人々こそがグローバル・ガバナンスの根本的な参加者であり、受益者であると強調している。

中国は過去4年間、「発展」「安全」「文明」「ガバナンス」の側面から、4つのグローバルイニシアチブを提起し、不安定な世界に安定性と確実性を注入し、大国としての責任を示してきた。

未来を展望すれば、中国は国際情勢がいかに変化しようとも、国連を中心とする国際体制と国際法を基盤とする国際秩序を断固として守り、歴史の正しい側に立ち、各方面と共にグローバルガバナンス体制の健全な発展を推進していく。中国は人類運命共同体の構築を促進し、人類の平和と発展という崇高な事業に絶え間ない努力を続けていく。（提供/CRI）