中国のレアアース規制に対応、インド企業が代替技術の開発を加速―独メディア

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中国の規制により、インドはレアアース関連品を輸入できない状態という。そのためインドではレアアースを用いない電気自動車用動力モーターの開発が急ピッチで進められている。

インド北部のファリーダーバードにあるスターリング・Gテイク・E-モビリティーの実験室では、新たな電気自動車(EV)用動力モーターの開発が加速している。一般的なEV用モーターとは違い、レアアース磁石を使用しないモーターだ。この技術によるモーターは新しいものではないが、一般に普及していない。インドではスターリング以外にもレアアースを使わないEV用モーターの開発が急ピッチで行われている。中国によるレアアース関連の輸出規制が、インドの場合には他国よりも深刻にのしかかっているからという。ドイツメディアのドイチェ・ベレが伝えた。

スターリングのジャイディープ・ワドワ社長は「できるだけ早く商業生産を実現したい」と述べた。インドの自動車メーカー7社がスターリングの動力用モーターを審査しており、承認されれば1年以内に生産が開始される可能性がある。実用化の当初目標は2029年だったが、大幅に前倒しされた。目標修正の直接の原因は中国が4月に米国関税に対抗してレアアース関連の輸出制限措置を発表したことだった。

中国は現在までに、米国および欧州への一部レアアース関連品の輸出を再開したが、インドと中国の関係には緊張した部分があり、インドは依然として実質的な供給停止状態にある。インド企業の輸入申請はこれまでのところ、いかなる場合も承認されていない。インドのモディ首相と中国の習近平国家主席は最近になり貿易関係の改善の道を協議し、中国側はレアアース磁石の輸出制限を緩和することに同意したが、具体的なスケジュールは示されていない。

中国は世界のレアアース加工能力の90%以上を掌握している。インドは世界第5位のレアアース埋蔵量を有しているが、それを磁石に加工する能力を欠いている。この問題を解決するため、インド政府はレアアースの採掘および加工への奨励策を計画しており、日本および韓国企業との協力によるレアアース磁石の製造を模索している。

BMWや日産などの自動車メーカーはすでにレアアースに依存しないEV用動力モーターの製造を開始している。しかし、この技術はまだ広く普及していない。軽量でコンパクトなサイズと重量を維持しながら、モーターの性能を保つ必要があるため、難度は依然として高い。厳格な試験要件も、多くの自動車メーカーの研究開発にとって「壁」になっている。

この状況にあって、インドではスターリングその他の数社が、中国産レアアースや中国製レアアースを必要としないモータの急速開発に、大いに力を入れることになった。

また、米国に本社を置くのインド企業ではないが、インド系米国人のアンキット・ソマニ氏が創業したコニファーも、動力モーターにフェライト磁石を使う、かつて長期間わたり使われた技術を改めて応用することで、高性能モーターを実現しようとしている。ソマニ氏は「「いくつかの革新によって、この磁石は既存の設計よりも航続距離を10%-30%伸ばせる。しかも低価格だ」と説明した。

コニファーはインド西部のコニファーにも工場を保有しており、ソマニ氏によると、同工場の年産能力は2四半期以内に7万台に達する見込みだ。ソマニ氏は、中国によるレアアース規制に直撃されたインドでは「今や誰もが、現地化された解決策を競って求めている」と述べた。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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