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9月16日は「オゾン層保護のための国際デー」だ。今年のテーマは「科学から世界的な行動へ」であり、環境課題には国際協力が不可欠であることを強調している。
9月16日は「オゾン層保護のための国際デー」だ。今年のテーマは「科学から世界的な行動へ」であり、環境課題には国際協力が不可欠であることを強調している。環境保護をめぐる国際的な取り組みの中で、日本の農学者・遠山正瑛の業績はとりわけ示唆に富んでいる。「砂漠の父」と呼ばれる遠山は、内蒙古自治区のクブチ砂漠奥地のエンゲベ地区で、多国間協力の力を、自らの行動で示した。
かつて「地球のがん」と呼ばれ、緑化は不可能とされていたエンゲベ砂漠は、今では緑豊かな大地に生まれ変わり、国家級の生態観光モデル基地となっている。この奇跡の出発点は、1991年、84歳の遠山がこの地を訪れ、「生きている限り、この砂漠を緑化できるまでは離れない」と誓ったことにある。豊富な専門知識と揺るぎない情熱によって、彼は中国の住民や日本のボランティアと共に砂漠の緑化事業に身を投じ、中日協力の砂漠対策プロジェクトを通じて、累計300万本以上植林した。その結果、およそ2万ヘクタールの砂漠をオアシスへと姿を変えることに成功したのである。
遠山の活動は個人の業績だけにとどまらず、地球規模の環境ガバナンスの理念を体現している。彼はかつて、「環境問題はすでに国境を越えており、その解決には世界が一丸となる必要がある」と指摘した。多国間協力は、他者を助けるだけでなく、自らを助ける行為でもあることを示している。気候変動など世界的脅威に一国のみで立ち向かえる国は存在しない。遠山の実践は、そのことを如実に物語っている。
効果的な国際協力を欠けば、各国は温室効果ガス削減における「囚人のジレンマ」に陥りかねない。つまり、経済競争での不利益を恐れ、削減努力を緩めたり、環境政策を撤廃したりして、かえって世界全体の排出量を増大させる危険がある。たとえ一部の国が積極的に削減に取り組んでも、大排出国の増加によってその成果が相殺される可能性も否めない。さらに懸念されるのは、先進国が一方的措置として炭素関税を課そうとする場合である。それは、気候問題の根本的解決につながらず、むしろ貿易摩擦や国際的な緊張を激化させる。さらに、難民、食糧不足、地政学的衝突など、より広範な人道危機の拡大を招くおそれがある。
こうした課題は、気候分野にとどまらず、世界の公衆衛生、生物多様性の保護、核の安全といった分野にも共通している。新型コロナウイルスの流行は、感染症が国境を越えて広がり、国際協力なくしては封じ込めができないことを示した。また、生物多様性の損失の加速は、生態系の保全に国際的な枠組みが不可欠であることを物語っている。核拡散のリスクを抑えるためにも、各国は協力して国際的な安全保障体制を守る必要がある。こうした共通課題は、グローバルガバナンス体制の強化が急務であることを示している。
遠山正瑛の精神は、今日の地球規模の気候ガバナンスにおいてもなお重要な意義を持つ。彼が残したのは、緑豊かなオアシスだけではない。国際協力の芽を育んだことこそが最大の功績であると言える。ますます複雑化する世界的課題に対し、多国間で拘束力のあるルールと協力のメカニズムを構築し、実効性のあるグローバル集団行動を推進してこそ、地球という人類共通の家を守ることができる。気候変動対策、持続可能な発展、世界平和の維持、そのいずれにおいても、道のりは平坦ではない。だが、グローバルガバナンスと協力を堅持することこそが、人類が持続可能な未来に進むための唯一の選択なのである。(提供/CRI)
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