杭州の六和塔の窓が人気撮影スポットに、文化財保護とのバランスが課題に―中国

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浙江省杭州市にある六和塔の「緑が眺められる窓」がソーシャルメディアで大きな話題となり、多くの観光客でにぎわっている。

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浙江省杭州市にある六和塔の「緑が眺められる窓」がソーシャルメディアで大きな話題となり、多くの観光客でにぎわっている。伝統衣装を着て、塔の窓をバックに写真を撮り、伝統的な中国風のBGMと合わせて投稿するというのがSNSで流行している。中国新聞網が伝えた。

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六和塔の人気が高まるにつれて、1000年以上の歴史を誇る塔の保護と、押し寄せる観光客の受け入れのバランスをどのように取るかという問題も注目を集めている。

杭州市を流れる銭塘江沿いにある六和塔は、北宋の開宝3年(970年)に建てられた第一陣の全国重点文化財保護単位の一つだ。7階建ての塔身は南宋時代のもので、杭州市に現存する南宋時代の重要な建築物ともなっている。その建築構造は、複数の王朝の造営の知恵が融合されており、13層の外層と7階建ての塔身からなる「双套筒構造」が採用されている。レンガ造りの塔身は、呉越国と南宋時代、外層の木造「檐廊」は、清の時代に建てられた。中の塔身の最上階まで上ると、銭塘江の美しい景色を見渡すことができ、古くから人気の観光地だった。


観光客は六和塔の2階と3階の木造「檐廊」に集中しており、そこで写真を撮影するのが人気だ。一方、それより高い階に行くと、観光客は少なくなる。

六和塔の職員は「六和塔では高い所から銭塘江を見下ろし、美しい景色を見渡すことができるほか、低い階の窓の景色も歴史を感じさせ、素敵だ。窓の外には木々が青々と茂り、光と影の美しいコントラストも生まれて、中国の伝統的なムードにあふれており、絶好の撮影スポット」と説明する。

専門家は「六和塔が話題になることは、ソーシャルメディア時代において、若者が動画や画像を通して、アイデンティティーを見い出し、多くの人に認めてもらいたいという文化的心理を反映している」と分析する。

浙江大学歴史学院の准教授で中国古代史研究所副所長の陳志堅(チェン・ジージエン)氏は、「文化財が人気となることで、文化的価値の再認識される。美的理念の『宝庫』となっている文化財がたくさんあり、昔の人の知恵や美的理念が今でも多くの人の共感を呼んでいることを示している。また、現代の言語環境において、伝統文化の新たな活力が引き出されていることも示している」との見方を示す。

人気となっている六和塔景勝地は、すでに観光客に対して、入場の適時制限や塔内部を見学するための入場券販売の一時的な中止といった動態管理を実施している。また景勝地は、マナーを守った見学やオフピーク観光を推奨することで、共に文化財の保護に取り組むよう観光客に呼び掛けている。

陳所長は、「文化財保護は専門家と社会が共通の認識を持ち、力を合わせて取り組まなければならない。六和塔の保護は長期にわたって専門機関の技術支援を得てきた」と説明する。

文化財に息を吹き込むと同時に、それを保護していくことも必要であり、人気を集める文化財をどのように統一して管理するかが重要な課題となっている。伝統と現代的な要素の融合が進む中、単に写真を撮影して終わりではなく、注目を集めているのをきっかけに、どのように一人でも多くの人に文化に対する認識を深めてもらうかが、社会各界が共に検討すべき課題となっている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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