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31日、 香港メディアの香港01は、劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来が、童話を超えた新世代の「国民的アニメ」になりつつあると紹介した。写真は鬼滅の刃。
2025年8月31日、 香港メディアの香港01は、劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来が、童話を超えた新世代の「国民的アニメ」になりつつあると紹介した。
記事はまず、「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来が大ヒットを記録し、日本アニメが再び世界を席巻している。5年前、同シリーズの無限列車編が日本映画史の記録を塗り替え、『千と千尋の神隠し』を抑えて首位となったが、無限城編もまた人気作として、すでに歴代3位の座を獲得している。『鬼滅の刃』はディズニー作品に代わり、新世代の『国民的アニメ』になりつつあると言われている。ディズニー作品は、夢と希望、お姫様と王子様、愛と勇気、ハッピーエンドを売りにしてきたが、このような『単一の美しさ』は、今では次第に色あせて見える」と言及した。
続けて、「『鬼滅の刃』は人間性の暗部を直視し『鬼』の残忍さを描き出すと同時に、この鬼たちがもとは人間であり、絶望的な状況の中でやむを得ず別の道を選んだことを描いている。無限城編に登場する猗窩座(あかざ)もまた、もとは夢を抱く義理堅い青年であったが、悲惨な運命に打ちのめされ鬼となった。彼の境遇は憤りを誘い、同情を呼ぶ。剣撃の中で描かれるのは単なる『悪』の末路にとどまらず、苦悩と選択に揺れる人間性のゆがみや悲哀を映し出している。こうした複雑な人間性の描写によって『鬼滅の刃』は単純な善悪の対立を超え、血と涙に満ちた『人間の物語』として魅力を持つ作品となったのだ」と評した。
また、「『鬼滅の刃』の世界は死と喪失に満ちている。家族は殺され、仲間は次々と犠牲となり、登場人物たちは消えない傷を背負っている。ただし、物語は悲劇にとどまらず、善良な竈門炭治郎(かまどたんじろう)と妹・禰豆子(ねずこ)を通じて『闇の中で光を見出す』方法を描いている。この『苦難における癒やし』は、コロナ禍後の私たちに強く響き、多くを失い、無常を経験した者の希望の出口を求める気持ちに訴えるのである。『夢のような童話』と比べると、現実と呼応する物語の方が今の時代により適しているのだ」と考察した。
さらに、「『鬼滅の刃』の人気は、日本独自の文化的背景がしっかり描かれていることにも起因する。剣術や呼吸法、和服や伝統建築、『鬼』の設定に至るまで、東洋の民間伝承と深く結びつけ、海外のファンの好奇心を刺激した。日本らしさを尊重しつつ、海外のファンにも理解されやすいように調整することで、和風美を世界へと押し出したのだ。これに対してディズニー作品は、世界中の人々に受け入れられること重視するあまり、普遍的なテーマが中心になりやすく、文化的厚みを欠きがちである」と論じた。
加えて、「『鬼滅の刃』の原作漫画は筆致が華麗であり、鮮明かつ判別しやすいキャラクター造形には、それぞれに強い個性と細やかな描写がある。アニメでは、これがさらに拡張され、流麗な剣技描写、伝統的な色彩による光影効果が加わった。これにより視聴覚的な娯楽性を満たすと同時に芸術的価値をも高め、『視覚的衝撃と感情的深み』を兼ね備えた魅力を示した」と述べた。
そして、「新世代は『夢のような童話』に執着せず、現実の困難に直面し、人間の複雑さを探求する物語を好む。猗窩座は単なる悪役ではなく、警鐘としても描かれ、悲劇の人物として観客の感情を映す鏡となった。だからこそ『鬼滅の刃』は、従来の『善が悪に勝つ』という単純な構図を超え、世代を超えた文化的シンボルとなり得たのである」とした。(翻訳・編集/岩田)
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