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人気AIアプリ番付で中国勢が台頭している。
「最近よく見るあのアプリ、実は世界ランキング上位だった!」――中国にとっては明るいニュースであると同時に、「Weixin公式アカウントでAIコンテンツを投稿するときは、必ずAIと明示しなければならない」という新ルールも始まった。AIライフは楽しさと規制の二面性に包まれている。
米ベンチャーキャピタル(VC)大手a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)が8月27日に発表した「生成系AI」のウェブサービスとアプリに関するランキングで、中国勢の存在感が際立った。ChatGPT(首位)、GoogleのGemini(2位)の牙城を崩すのは容易ではないが、「生成AIウェブ製品Top50」にはDeepSeekが3位に入り(ただし利用流量は減少傾向)、夸克(Quark)が9位につけた。
一方、モバイル部門のランキングでは、字節跳動(ByteDance)傘下の豆包(Doubao)が存在感を示し、4位にランクインした。百度AI検索、DeepSeek、美図(Meitu)もTop10入りを果たした。
中国勢が攻勢を続ける背景には「生活に直結する便利さ」がある。写真加工や動画編集、学習支援など、日常的に役立つユースケースに特化したツールが目立ち、デザインや操作性も巧みだ。加えて、中国国内の巨大ユーザー基盤が爆発的な拡散力を生み出している。
今やAIは一般ユーザーにとってもエッセーを書いたりショート動画を投稿したりする際に欠かせないツールになりつつある。アイデアの書き出しやドラフトの準備、画像加工、音声朗読、動画作成など、「ちょっと助けてほしい作業」を肩代わりしてくれる頼もしい存在となっている。
こうした趨勢の下でルールづくりの動きも活発化してきた。3月にネット規制当局の国家網信弁が「人工智能生成合成内容標識弁法」を公布し、9月1日に施行された。微信が8月31日に発した公告内容も注目を集めている。
その公告によると、Weixin公式アカウント(微信公衆号)やチャンネル(視頻号)で配信する投稿がAIで作成したものである場合、マーク(顕式標識)やシステムが自動で埋め込む隠れたマーク(隐式標識)が付与されるというものだ。狙いは「AIを利用した偽情報拡散を未然に防ぐ」ことだ。
ちなみにWeixin公式アカウントの配信プラットフォーム(微信公衆号平台)では投稿記事の編集画面に「AIを使用しましたか?」と自己申告のチェック欄が追加されている。AI活用によって記事作成の作業負担は軽減されたが、配信のステップがひ一つ増える格好にもなりそうだ。
企業アカウントの運用者にとっては慎重な対応が求められてこよう。ルール違反時は警告、削除、アカウント制裁といったリスクに直面することになる。AI活用を隠さないように社内でAI利用時の明示ルール設けるほか、投稿前にチェックリストを必須化するなど内部監査体制の整備も必要になるかもしれない。
ここで思い浮かぶのは「AIで作ったものをオリジナルと呼べるのか?」という問いだ。もしフォローしている人気インフルエンサーが「原作」をうたいながら実はAIを使っていたと知ったら、信頼感は揺らぐだろうか? それとも「効率と創造性を両立している」と共感するだろうか。
今や中国アプリは世界的に存在感を増し、私たちの生活を便利にしている。しかし同時に、利用には「透明性」と「ルール」が不可欠になる。AIをどう見せるかが問われる時代が到来した。新ルールは多くの発信者に戸惑いを与えるだろうが、楽しさと規制の両方が共存するのがこれからのAIライフの新常態になりそうだ。(提供/邦人NAVI-WeChat公式アカウント・編集/耕雲)
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