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独ドイチェ・ヴェレは中南米で起きている鉄道建設ラッシュに中国の姿が随所に見えると報じた。
2025年8月31日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは中南米で起きている鉄道建設ラッシュに中国の姿が随所に見えると報じた。
記事は、ブラジルで全長4000キロ以上、総工費34億ドル(約5000億円)に上るという大西洋と太平洋を結ぶ「両洋鉄道」計画が進行していると紹介。太平洋への出口がなかった同国では、鉄道開通によりアジアへの貨物輸送時間が平均40日から28日へと短縮され、コストも大幅に削減される見込みで、同国の経済構造を根本から変える可能性があると期待されていることを伝えた。
また、ブラジル政府は同鉄道によって米国への経済的依存を減らしたい考えだとする一方で、中国への依存は強まることになると指摘。中国もこのプロジェクトを通じて豊かな鉱産物や農作物を有する中南米への影響力を拡大する狙いがあるとし、鉄道の終着点であるペルーのチャンカイ港が中国企業によって全額出資・管理されていることを紹介した。
記事はその上で、鉄道建設の動きはブラジルに限らず中南米全土に広がっているとし、ラテンアメリカ開発銀行(CAF)のデータでは地域全体で55の鉄道プロジェクトが進行中で、総額4000億ドル(約59兆円)の投資が必要とされていると伝えた。
そして、チリでは国営鉄道会社が中国中車集団(CRRC)に史上最大規模の車両を発注し、コロンビアの首都ボゴタの鉄道プロジェクトでも、中国の建設会社や車両メーカーが深く関与するなど、至る所に中国の「影」を見ることができるとした。
記事は、中南米で進む全ての鉄道プロジェクトが現状で順風満帆なわけではなく、メキシコのマヤ鉄道では23年末の一部開通後に巨額の赤字を計上していると紹介。一方で、輸送量は月19%のペースで急増しており、長期的な経済効果を見込んだグアテマラも接続に意欲を見せるなど、むしろ国境地域全体の共同発展を目指す動きにつながっていると伝えた。
その上で、コロンビアのボゴタで先日開催された国際フォーラムでCAFの総裁が「鉄道を持続可能な発展と地域整合の推進力と見なすべきだ」と呼びかけたというエピソードを併せて紹介した。(編集・翻訳/川尻)
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