拡大
上海で電子警察が拡大し、電動スクーターの違法走行を自動摘発している。写真は上海。
日本の「ゾーン30プラス」が生活道路の静穏化を推し進める傍ら、中国では9月1日施行の新電動自転車規範では設計・改造防止・安全監視の厳格化が行われる。電子警察による非接触取締も拡大しており、出発点は違っても、「人優先」の通行空間の確保を狙いとした取り組みと目される。
交通空間における「人優先」の理念は今や世界共通の認識だ。しかし、その実現への道筋は国や地域によって千差万別だ。日本が「道路」の物理的改善に注力する一方で、中国は「車両」の安全基準と「執行」のデジタル化という異なる2本の矢を放つ。この三位一体の妙技が私たちの日常に及ぼす影響は看過できない。
国土交通省と警察庁が推進する「ゾーン30プラス」は単なる速度規制ではない。最高時速30キロの区域規制にハンプや狭さくといった物理的デバイスを組み合わせることで、自動車のドライバーに「減速の美学」を体感させる。6月現在、全国263地区に拡大し、生活道路の安全確保に貢献している。通学路の安全をKPIに据え、地域と行政が一体となって進めるこの取り組みは、まさに「急がば回れ」の精神を体現している。
2023年7月1日の道交法改正により、電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」という新たなカテゴリーに整理された。最高20km/h、16歳以上は免許不要、ナンバー・自賠責は必須だ。歩道走行は「特例特定小型」時のみで、最高速度表示灯を点滅し6km/h、標識等で許可された区間に限られる。ヘルメットは努力義務だが、安全確保の観点から着用が推奨される。新しい玩具を手に入れた子どもがその使い方を学ぶように、私たちもまたこの新しいモビリティとの付き合い方を考える過渡期にあるといえそうだ。なお、酒酔い運転やながら運転が厳禁なのは言うまでもない。
中国で9月1日に施行される「電動自転車安全技術規範(GB17761-2024)」は安全と可視化をアップグレードする。最高設計速度25km/h(25km/hを超えた場合はモーター出力を自動停止)を前提に、防火・難燃性の強化、プラスチック使用量の上限(車体重量の5.5%以下)、改造防止措置の厳格化が行われる。また、北斗測位・通信・動的安全モニタリングの導入を求め、事業用途は搭載必須、家庭用は任意とした。移行期間は生産が2025年8月31日まで、販売が同年11月30日までで、12月1日以降は新標準のみ販売可となる。なお、実際の走行速度は別の法令の対象となっており、自転車レーンなどの非機動車用レーンでは最高15km/hが求められる。
中国の路上執行はもはやSFの領域に近づいている。電子警察は各地で拡大・実装が進み、海口では24時間自動監視が運用、深センでもRFID×AI装置で未着用ヘルメットや逆走などを自動検知し、リアルタイムで送信する。上海でもRFIDなどを用いた体制整備が進んでおり、可視化と早期是正のサイクルが強化されている。あたかも「見えざる手」によって、制度面の「車両安全」と「執行の確実性」のシナジーによって、人々の順法行動の浸透が図られている。
先に見たように電動キックボードの規制アプローチで、日本と中国では異なる風景が見られている。
日本は電動キックボードを「特定小型原動機付自転車」として区分し、道路構造の再設計(ゾーン30プラス)と組み合わせて安全性を高める。
一方、中国は電動自転車に対して製品規準+デジタル取り締まりで順法行動を促す。なお電動キックボードについては、製品の推奨規準(GB/T 42825-2023)は存在するものの、公道走行の可否は都市ごとの規制に委ねられており、主要都市では公道走行を認めない運用が広く見られる。
さらに中国では製品規準の強化と電子警察による徹底的な取り締まりで、違反の「検出可能性」を極限まで高めている。9月以降、中国の道路交通の安全がどのように変化していくのが見守っていきたい。(提供/邦人NAVI-WeChat公式アカウント・編集/耕雲)
Record Korea
2025/7/1
Record China
2025/8/26
人民網日本語版
2025/8/28
人民網日本語版
2025/8/22
邦人Navi
2025/7/21
Record China
2025/7/16