ドイツのレアアースリサイクル産業が苦境、中国の競争力に太刀打ちできず―独メディア

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24日、独ドイチェ・ヴェレは、ドイツのレアアースリサイクル産業が中国に太刀打ちできない状況を報じた。

2025年8月24日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、ドイツのレアアースリサイクル産業が中国に太刀打ちできない状況を報じた。

記事は、ドイツ東部の町ビターフェルトにある、欧州最大とされたレアアースリサイクル工場が、開設から1年経っても採算が取れず苦境に立たされていると紹介。昨年5月に開設した工場は「欧州最大のレアアース磁石リサイクル工場」と称賛され、当初は年間約600トンのレアアース磁石粉末を生産し、将来的には1200トンへの倍増を計画していたものの、運営するヘレウス・グループの幹部が「中国からのレアアース供給との価格競争が極めて困難」との見解を示したと伝えた。

その上で、ドイツの自動車、機械、エネルギー、防衛といった主要産業はレアアースに大きく依存しており、欧州では重希土類を100%、ネオジムを含む軽希土類を85%中国から輸入していると指摘。今年4月に中国がレアアース及び関連磁石の輸出を大幅に規制したことで、欧州では供給不足が発生し、一部の生産ラインが停止したと伝えた。

そして、欧州連合(EU)ではレアアースの供給安定を目指して昨年に「重要原材料法」を導入し、30年までに域内での採掘10%、加工40%、リサイクル25%という目標を掲げたものの、リサイクル事業では価格の高い欧州産リサイクルレアアースを購入してくれる顧客探しが大きなボトルネックになっている上、酸化ネオジムの価格が昨年半ばに底値を記録するなど市況が悪化していることも問題になっていると指摘。現在、欧州におけるレアアースのリサイクル率は1%未満に過ぎず、EUは民間投資を誘致するためのプロジェクトをいくつか承認しているものの、事業を大規模化することは困難な状況にあると指摘した。

記事は、現状を打破するために、ドイツの政治家やヘレウスの幹部が「リサイクル割当制度(クオータ)」の導入を提案していると紹介。特に自動車産業などを対象に資金援助や税制優遇措置と組み合わせる形で、リサイクルレアアース磁石の利用を義務付けることを求めているとした。そして、ヘレウスの幹部が「直ちに対策を講じなければ、30年までに状況が変わるとは思えない」と述べて強い危機感を示したことを伝えた。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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