10月に導入の「Kビザ」とは?中国ビザのアルファベットを読み解く

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中国で10月にSTEM若手向け「Kビザ」が導入される。写真は上海浦東国際空港。

中国渡航は目的別ビザの理解が肝要だ。日本は最長30日までの試行的なビザ免除(2025年12月末まで)が継続中だが、条件に合致しない場合は従来通り事前のビザ取得が必要になる。注目したいのが10月に導入されるSTEM若手向け「Kビザ」だ。果たして「K」とは何を意味するのか。

Kビザの新設は未来の人材を取り込む一手

中国で14日、李強国務院総理の署名により「外国人出入国管理条例」の改正が公布され、10月1日から「Kビザ」が正式に導入される運びとなった。対象は国内外の知名大学や研究機関で科学・技術・工学・数学(STEM)分野の学士以上の学位を取得した外国人青年、または関連分野の教育・研究に従事する若手研究者・技術者。従来の就労ビザ(Z)や高度人材ビザ(R)と異なり、雇用主の招聘を必須としない点、入国回数や滞在期間の柔軟性が高い点が特徴だ。

ビザのアルファベットに隠れた意味

中国のビザは渡航目的ごとにアルファベットが割り当てられており、多くは中国語の拼音の頭文字に由来する。

L:観光

M:商用

Z:就労

R:高度人材

Q:親族訪問

S:家族同伴

X:留学

F:訪問・交流

このほど新設が決まった「K」については、現時点で公式な語源説明はない。ただし、他のカテゴリーの慣例にならい、科学・科技の頭文字である「科(Ke)」を由来と見た推測が行われている。あるいは迅速を意味する「快(Kuai)」とする解釈も紹介されている(微信のAI回答)。

滞在期間と申請にまつわる注意点

同じアルファベットのビザでも滞在期間によってさらに区別が行われるものもある。例えば、家族訪問の「Q」は、180日超の長期が「Q1」、180日以内の短期が「Q2」、留学の「X」も長期が「X1」、短期が「X2」といった具合だ。

ビザの有効期限が「発給日から入国までの期限」を指し、現地での滞在可能日数とは別概念である点にも注意したい。申請目的と条件、提出書類など、取り扱いの細部については中国公館が提示する最新の告知を確認する必要がある。

なお、日本の普通旅券所持者は2024年11月30日から2025年12月31日まで、商用、観光、親族訪問、交流、乗継を目的とする最長30日の試行的ビザ免除の対象となっている。条件に合致しない場合は従来通り事前のビザ取得が求められている。

「K」という記号がもたらす含意

文豪の夏目漱石は小説「こころ」の中で、物語の核心を握る人物を「K」という匿名で登場させた。固有名詞を排した意図については、「人間類型としての象徴」や「心理的存在の表現」など諸説があるが、真意を確かめる術はない。

中国のビザ制度に颯爽と現れた「Kビザ」も科学(Ke)、あるいは迅速さ(Kuai)といった連想を呼び起こしつつも、現時点ではベールに包まれたままだ。中国の外国人人材政策の未来を占う核心(Key)にもなり得る「Kビザ」。今後、どのような意味付けが示され、どのように運用が洗練されていくのか、その行方を見定めたいところだ。(提供/邦人NAVI-WeChat公式アカウント・編集/耕雲)

※本記事はニュース提供社の記事であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。すべてのコンテンツの著作権は、ニュース提供社に帰属します。



   

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