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中国国家広播電視総局が打ち出した「ドラマは最大40話」と決めた「限長令」が間もなく取り消されるとの情報がネットに登場した。写真はドラマ「琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~」。
中国国家広播電視総局が2019年に打ち出した「ドラマは最大40話」と決めた「限長令」が間もなく取り消されるとの情報がネットに登場し、さまざまな臆測や議論が飛び交っている。
「限長令」は、「注水劇」(話数を増やすことで、広告収入の収益やコンテンツの販売価格が膨れ上がることを狙った水増し行為)の制限措置として19年に登場した。さらに23年はドラマの質の確保と続編構成のまん延を防ぐため、第2部の配信は第1部の配信終了から最低でも1年の間隔を空けるよう規定する新たな規制が設けられた。これらの措置により、ドラマの話数は合理的な範囲内に戻り、視聴者も「注水劇」から解放されるなど、積極的な改善が見られた。
しかし今は潮目が変わり、人間関係や歴史背景が複雑な大河ドラマは限られた40話では描き切れないことや、ドラマ制作により自由を与えようとの考えから、規制撤廃に向け動いているもようだ。
この背景にあるのは、ドラマ市場を席巻するショートドラマの台頭だ。「隙間時間に手軽に楽しめるエンターテインメント」を求める現代人のニーズを的確に捉え、爽快なストーリーを速いテンポで届け、マーケットシェアを伸ばしている。統計によると、24年までにショートドラマの視聴者は5億7600万人に達し、ウェブユーザー全体の半数以上を占めた。金額ベースでは約500億元(約1兆270億円)の経済規模で一般ドラマ市場の7割のスケールに成長した。
しかし、この現象は「芸術性の喪失」「クオリティーの低下」を引き起こす懸念があり、一般ドラマへの諸般の「足かせ」を外すことで、健全な競争体制を作り上げ、ドラマ全般の品質向上を目指す思惑があるとみられている。
一般ドラマが当局の政策誘導に乗り、質の高い作品で視聴者の心を取り戻し、ショートドラマとの競争に勝つことができるのか。一般ドラマの将来に新たなる不透明性が増しているもようだ。(翻訳・編集/RR)
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