ロボットづくりで最も重要なものとは?宇樹科技創業者の王興興氏にインタビュー―中国

人民網日本語版    
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今年に入り、宇樹科技の人型ロボットがたびたび話題となり、中国の人型ロボット産業は空前の注目を集めている。

今年に入り、宇樹科技(UnitreeRobotics)の人型ロボットがたびたび話題となり、中国の人型ロボット産業は空前の注目を集めている。人民日報は先ごろ、浙江省杭州市の宇樹科技本社で創業者の王興興(ワン・シンシン)氏に単独インタビューを行った。人民日報が伝えた。

「長い目で見れば、これは小さな種火に過ぎないかもしれない。インターネットの誕生当初と同じように」――宇樹科技創業者・王興興氏

――中国中央テレビ(CCTV)の春晩(春節<旧正月>を祝う中国の国民的年越し番組)に登場して以来、宇樹科技の人型ロボットが大人気となった。こうなることを予想していたか。

正直、全く予想していなかった。2021年には当社の「ロボット牛」が春晩に出たことがあり、今年も同程度の反響だろうと見込んでいた。ところが、最終的な反響は予想を遥かに超え、多くの人がロボットの踊る場面を記憶してくれた。ある意味、これは伝統文化とハイテクの融合を象徴する出来事であり、一つの文化的シンボルともなった。大変光栄に思っている。

――人型ロボットが生活の中で応用されるまで、あとどれくらいか。

人型ロボットが生活シーンに取り入れられ、各家庭に普及するまでにはまだしばらくかかるだろう。人型ロボット産業はまだ初期段階にある。われわれはまず科学研究や教育、サービス展示、単純な工業用途、AI企業の開発での利用など、小規模な分野から切り込んでいる。

もちろん、われわれの最大の願いであり、現在取り組んでいるのは、ロボットに仕事をさせることだ。さまざまな動作ができ、人間の仕事を助けられるロボットを作りたい。だが、現時点では家庭や工場での大規模な応用にはまだ技術水準が十分でない。年々少しずつ進歩していくことは良いことであり、産業に対する皆さんの理解や寛容さを広げることにもなると考えている。

――人型ロボットの大規模な実用化における最大の難題は何か。

最大の難題は、ロボットのAIレベルが十分ではなく、臨界点を突破していないことだ。これは世界共通の問題であり、皆が取り組んでいることでもある。AIの分野はいつでもブレイクスルーが起こり得るし、技術的飛躍は非常によく見られる。今は解決できない難題が、将来のある時点で突然解決するかもしれない。

――大規模な応用におけるボトルネックを突破するには、どれくらいかかると思うか。

ロボットのAI技術の進歩は非常に速い。例えば半年前、当社のロボットが格闘技の試合をできると言われても、私自身信じられず、少なくとも1~2年かかると思っていた。しかし、実際には数カ月で実現した。もちろん、産業の発展は予測困難だが、3~5年以内には顕著な進展があるかもしれない。しかし、一般家庭への普及には、倫理や安全性の問題があるため、さらに比較的長いプロセスが必要になると思う。

AI技術が進歩し続ける限り、ロボット産業はますます発展していく。これはAI産業がもたらす連鎖効果であり、過去2~3年でその傾向が明らかになっている。皆がAIへの想像を広げ、ロボット産業を一層有望視するようにもなった。今年の人型ロボットブームも、長い目で見れば、小さな種火に過ぎないかもしれない。インターネットの誕生当初と同じように。

――中国の人型ロボット産業は世界的にどの水準にあるか。

生産・製造に強みがあり、世界的にも出荷量が多い。各国にそれぞれの強みがある。現時点で中国にはAI人材が相対的にやや少ないが、長期的に見ればやはり競争力は非常に高い。また、中国のロボット企業は生産・製造とハードウェアの面で優れており、コスト面で競争力がより高く、使用のハードルもより低い。これらはいずれも、将来の大規模な普及に有利に働く。

――研究開発と投資の関係をどう考えるか。

新技術を学ぶにせよ、新製品を開発するにせよ、最も重要なのは方向性を見極めることだ。研究開発への投資の大半は方向性を探るためのものであり、これこそが最も重要なものだ。

また、技術や製品に対する感度を保つ必要もある。十分に敏感であれば、多くの回り道を避けられる。できるだけ低コストで試行・探索し、本当に価値のある方向性を見つけたら、それを重点的に学び、投資を行うことが大切だ。

――あなたにとって、ロボット産業の究極的なビジョンは何か。

科学技術の進歩を真に推し進め、人類の生産力を一段上のレベルへ引き上げることだ。蒸気機関や電気の発明は、人類社会の生産力を大きく変えた。汎用AIと汎用ロボットがもたらす変化は、それ以上に大きなものとなる可能性があり、人類をつらく骨の折れる肉体労働から徐々に解放することができるだろう。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

※本記事はニュース提供社の記事であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。すべてのコンテンツの著作権は、ニュース提供社に帰属します。

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