【観察眼】歴史は否定によって消えない

CRI online    
facebook X mail url copy

拡大

8月の日本では、平和主義と右翼勢力がせめぎ合い、その力学が日本の将来の方向性に影響を与えている。戦争の記憶、反省、評価は複雑に絡み合い、人々の心に消えることのない影を落としている。

8月の日本では、平和主義と右翼勢力がせめぎ合い、その力学が日本の将来の方向性に影響を与えている。敗戦から80年を迎えた今年、戦争の記憶、反省、評価は複雑に絡み合い、人々の心に消えることのない影を落としている。

戦争の記憶の欠如は、日本社会の認識に断層をもたらした。2024年に発表されたある調査では、高校生の35%が南京大虐殺の基本事実を正しく説明できず、42%が慰安婦を「自発奉仕」と誤認していることが明らかになった。さらに憂慮すべきは、生存者の急速な減少である。2025年現在、長崎原爆の生存者は約10万7000人(1986年は約35.8万人)にまで減り、毎年約12%のペースで減少している。慰安婦被害者の存命者は世界で80人未満(うち韓国は23人)となり、その口述の歴史は命とともに失われつつある。

中国で大ヒット中の映画『南京写真館』は、中日の歴史教育における認識のギャップを浮き彫りにした。日本人留学生の山本綾子さんは映画を鑑賞後、「加害者の子孫としての恥と責任」を題とする文章を書いた。その中で、彼女は「私たちの世代が受け取った歴史は幾重にも濾過された蒸留水だ。この映画は私にありのままの苦い一杯の茶を差し出した」と率直に感想を語った。映画はカメラを歴史の公正な証人とした。

一方、日本メディアの戦争責任に対する報道は2000年に比べて67%も減少している。日本の若い世代は「731部隊の人体実験」「三光作戦」など、中国で行われた残虐行為についてほとんど知らされていない。ユネスコは、日本の歴史教育における「選択的記憶喪失」が被害者に「二次的な傷」を与え、中日の戦略的相互信頼を2000年より62%低下させ、地域平和の基礎を侵食していると警告している。

日本における戦争の記憶の欠如は、社会認知、政治意思、教育システム、国際関係などが複雑に絡み合った産物である。今後、歴史的和解を進めるには、日本国内で反省を重ねることが求められる。真実の歴史の掲示と多元的な対話こそが、地域の平和と安定を実現する鍵だ。

報道によれば、8月9日、明治大学の山田朗教授は民間団体主催の「戦争加害図文展」に参加し、日本が戦争での加害責任を直視し、歴史修正主義の蔓延を警戒し、軍国主義の復活を防ぐ必要性を訴えた。この展覧会は8月8日から15日まで横浜市で開催され、南京大虐殺、731部隊、毒ガス戦、慰安婦などに関する史料を展示している。山田教授は特別講座で、日本は戦後から「戦争責任の希薄化」を続けてきたと批判した。そして、戦争の歴史への反省を強化することで、歴史の真相を見分ける能力を高め、軍国主義の復活を防止しなければならないと述べ、国境を越えた交流、歴史教育、反省行動を通じて真の平和を築くことを提案した。

また、展覧会主催者代表の竹岡健治氏は、日本社会では長年にわたり「戦争加害」への関心が不十分だったと指摘し、日本がアジア諸国に対する加害の史実を直視し、自ら語らなければ、日本の平和の主張は世界から信頼を得られないと語った。

8月10日夜、東京・靖国神社周辺には数百人の市民が集まり、ろうそくを手に「靖国システム復活阻止」「政治家の参拝反対」と声を上げた。主催者は「日本憲法第9条は二度と戦わないことを誓っているが、靖国神社の香煙は平和の根幹を蝕んでいる」と訴えた。

歴史は時間の経過によって薄れることも、消えることもない。忘却と隠蔽は、むしろ対立を深める。戦争の記憶の欠如は、亡くなった者への裏切りであり、平和への脅威だ。率直に反省し、記憶の空白を埋めたとき、日本は初めて「歴史の囚人」という苦境から抜け出し、東アジアの未来に平和の可能性を開くことができるだろう。(提供/CRI

※本記事はニュース提供社の記事であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。すべてのコンテンツの著作権は、ニュース提供社に帰属します。

noteに華流エンタメ情報を配信中!詳しくはこちら


   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携