中国で高度成長期ファッション懐古のSNS投稿急増、現状への不満反映?―海外メディア

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中国で若者の就職などへの期待がしぼむ中、SNS上で20年前の高度成長期のファッションを懐古する投稿が急増。アナリストは「当局の検閲を免れつつ経済の現状に不満を示す動き」とみている。写真は化粧。

中国で若者の就職や収入への期待がしぼむ中、SNS上で20年前の高度成長期のファッションや文化を懐古する投稿が急増している、とロイター通信が報じた。アナリストは「これは当局の検閲を免れつつ経済の現状に不満を示す動きだ」とみている。

ロイター通信によると、この夏、「#経済上行時期的美麗」(経済上昇時の美しさ)というハッシュタグが急激に広まった。2000年代初頭のセレブが派手な衣装とメイクを施した写真やミュージックビデオ、テレビ広告を投稿するタグだ。

中国版インスタグラム小紅書では「#経済上行時期的美麗」を付けた投稿が合計5000万回近く閲覧された。拡散の時期は、ちょうど1220万人の大学生が卒業を迎えた時期に当たる。

今年の新卒は新型コロナ禍を除いて数十年ぶりの厳しい就職難に見舞われている。中国経済は米国の貿易関税、デフレ、産業界の過剰設備、そして国内消費の低迷と踏んだり蹴ったりだ。

今年の中国経済は約5%ペースの成長を遂げているが、アナリストによると、これは「二極化経済」だ。製造業と輸出が強い一方、家計はあえいでいる。成長率は2001~10年の半分に減速した。

「経済は循環するが、青春は二度と戻らない」。SNSではこんな投稿が広く拡散された。中国共産党は国内メデイアとSNSを厳しく検閲しており、経済状態に批判的だったり、暗に政策当局を批判したりしていると見なした報道や投稿を定期的に削除している。

コンサルタント会社、アパーチャーチャイナの創業者、ヤリン・ジャン氏のデータ分析によると、大半の投稿はミレニアル世代(1980年代から1990年代半ばに生まれた世代)の女性が今より就職も消費も選択肢が豊富だった20代の頃を振り返るものだ。しかし、投稿に反応しているのは、当時より選択肢が限られる今の若者だという。

ジャン氏は「こうした投稿が注目されている時期を考えると、大卒という学歴の価値の低下や、この夏の新卒が直面する就職難に対する幅広い不満への反応である可能性が高い」と語った。

中国当局の検閲を調査するチャイナ・デジタル・タイムズ(米国)の創業者、シャオ・チャン氏は「メイクやファッションなど日常的な記号を使って、経済の衰退と生活のプレッシャーへの不満を何気なく表現している」と指摘。大半のユーザーは中国の近過去の美に関する意見を投稿し、明るい感情を表現しているため、当局にとって「手を出しにくい」と説明した。

さらにチャン氏は「経済的な繁栄に対する懐古によって、間接的な批判をするという雰囲気が生まれている」と言及。「経済に関する公式的見解への国民の信頼感を静かに損なうかもしれない」との見方を示した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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