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卓球男子シングルス世界ランキング4位の張本智和がTリーグへの問題提起を行ったことに、中国の卓球ファンから反響が寄せられている。写真はWTTの微博公式アカウントより。
卓球男子シングルス世界ランキング4位の張本智和(22)がTリーグへの問題提起を行ったことに、中国の卓球ファンから反響が寄せられている。
日本で行われている卓球のプロリーグ・Tリーグでは、試合時間の短縮や試合展開を盛り上げるためにデュースの廃止(10-10になっても11点目を取った方の勝利)やフルゲームの場合は6-6のスコアからスタート、マッチカウント2-2になった場合は1ゲームだけのシングルスのビクトリーマッチを行うなど、独自ルールを多く採用している。
張本は4日、自身のインスタグラムのストーリーズでこうした状況を批判した。張本は「WTTとは全く違う、振れば入るようなボールを使うだとか、10-10は1本勝負だとか、最終ゲームは6-6スタートだとか、チームが2-2になって勝敗を決める1番大事な5番(第5マッチ)を1ゲームで決めるとか、そんなに時間短縮やジャイアントキリングが見たいなら格下はゲームカウント1-0スタート、格下チームはチームカウント2-2にできれば勝ち、みたいなもっと極端なルールを作れば良いです。その方がこっちも割り切れます」とつづった。
そして、「Tリーグに専念してる選手だけでなく、WTTを軸にプレーしてる僕たちもみんな生活のために全力でTリーグを戦っています。過去7シーズン、そんなルールにかなり気を張って戦ってきて大体の試合は勝てましたが、それでも勝てる試合を何試合も落としてきました。その度に頑張って切り替えようとしてきましたが、そろそろ限界です。どんなおかしなルールだとしても、負けたら選手は落ち込みます。心の中ではそんなはずはないとわかっていても、負けた事実に落ち込みます。海外のトップ選手が『日本に来てこんなルールで負けて、Tリーグにはもう行きたくない』となったらリーグの未来はありません」と指摘した。
また、「Tリーグを見にきてくれるお客さんに本当の卓球の試合をお見せしたいです。そして、お客さんを楽しませることも大切ですが、それと同じくらい選手にも配慮があるリーグであってほしいです。何も無理なお願いをしてるわけではないです。普通の試合がしたいだけです」とし、「思うことはもっとたくさんありますが、結局言いたいのは1つだけです。世界最高峰のリーグを作りたいのに、世界最高峰の選手たちだけに不利なルールでどうするんですか」と訴えた。
張本はさらに、「Tリーグでたまにトップ選手に勝つ→ということはWTTでも勝てると思ってWTTに出る→普通の外国選手に負ける→日本に帰ってきてTリーグでまたたまにトップ選手に勝つ→じゃあ別に良いかと思ってWTTで負けたことを忘れる」というサイクルになるとし、「Tリーグでトップ選手に勝つことで満足して、それ以上の努力をしなくなっている。海外で勝つための努力をしなくなっている。僕たちがしてきたような血の滲むような練習をして海外で勝つ、そしてそこから世界ランキングを上げる。という感覚を今のTリーグルールは潰していると思います。もしかしたらこのTリーグルールが本当に苦しめているのはトップ選手たちではなく、他の選手たちなのかもしれません」ともつづった。
中国のSNS・微博(ウェイボー)では「張本智和が日本リーグを痛烈批判」がトレンド2位まで浮上。中国のネットユーザーからは「よく言った」「彼を応援する」「彼が言っていることは正しいと思う」「張本はTリーグの発展を願って言うべきことを言ったまで」「Tリーグのルールを国際基準に合わせてほしいというのは、極めて正常な考え方だと思う」「トップ選手としての責任感だろう。Tリーグ設立当初からずっと普及に尽力してきたし、国際大会がいくら厳しくてもTリーグを諦めたことはなかった。でも国際基準と矛盾するルールが成長を阻んでいる」といった声が上がった。
また、「これがトップ選手の発言の影響力」「声を上げる勇気を持つ者こそ真の男」「不平等な扱いにはしっかり声を上げる。彼は優秀なアスリートだ」との声や、張本の憧れの存在でもある中国の樊振東(ファン・ジェンドン)が過去にWTTの制度に苦言を呈したことを引き合いに出し、「樊振東の弟子だな」「アニキと歩調をそろえるなら、(ブンデスリーガに参戦した樊のように)海外に出た方がいい」「張本は本当に樊振東を慕っている」といったコメントも散見された。(翻訳・編集/北田)
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