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3日、独ドイチェ・ヴェレは、中国におけるボーイズラブ(BL)創作に対する取り締まりが厳しくなっていることを報じた。
2025年8月3日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国におけるボーイズラブ(BL)創作に対する取り締まりが厳しくなっていることを報じた。
記事は、中国ではこの1年余りの間にオンライン文学プラットフォーム「海棠文学城」で活動していたBL小説家数百人が、「わいせつ物の制作・拡散による利益供与」を理由に逮捕、起訴されていると紹介。対象は性描写のない作品にも及んでおり、有名作家だけでなく一般の作者も標的になっていると伝えた。
そして、検閲がほとんどないことで知られていた「海棠」への取り締まりは、他の中国国内のオンライン創作コミュニティーにも不安と混乱を広げており、海外にサーバーがあるプラットフォームでも中国語作品の数が激減していると指摘。ファンの間では投獄のリスクに直面する作家たちに「創作を続けてほしい」とは安易に言えない雰囲気になっていると伝えた。
また、21年にはBL小説を原作とするドラマ「山河令」が大ヒットし、「耽改劇(耽美小説を改編したドラマ)」人気が高まったものの、中国政府は同じ年に締め付けを強化し、今では制作が停止されて関連産業が低迷していることを指摘した。
その上で、BL作品に対する大規模な取り締まりは財政難に苦しむ地方政府の財源確保が背景にあるとの見方もある一方で、取り締まりの主要ターゲットが男性同士の恋愛を描く女性作家であることから「女性による創作作品と、BLという性的マイノリティーの美意識に対する二重の抑圧」と指摘する声もあるとしている。
記事は、今回の「海棠」事件が6月の性的マイノリティーの権利を啓発する「プライド月間」と重なったことで、海外の活動家たちが「海棠」のBL作者と連帯し、中国における女性と性的マイノリティーの権利に対する国際的な注目を集める動きが活発化したと指摘。ニューヨークや東京などでは、海外在住の中国人らがデモに参加し、自由な創作環境を訴えたと紹介した。
また、規制が厳しくなった中国本土から検閲のない海外に拠点を移し、自由にBL創作活動を行う「海外流亡腐女」と呼ばれる人が増えていること、台湾のように比較的自由な創作環境を持つ地域からは、中国本土のBL界の現状に対し懸念の声がでていることも紹介。「BL創作の核心には、権威への疑問や既存の社会秩序への挑戦が含まれており、これが中国の権力者が最も恐れるものだ」との指摘も見られると伝えた。
記事は最後に、BLを愛好する「腐女子」としての意思を貫徹するために日本へと拠点を移したという「海外流亡腐女」の1人が中国の状況について「なんの検閲もなく、みんなが自分の見たいものを自分で創作できるようになるだけでも、なんと素晴らしいことだろうと思う」とコメントしたことを紹介している。(編集・翻訳/川尻)
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