深センにロボット6S店、各種業務が「双方向型ワンストップ」―中国メディア

Record China    2025年8月6日(水) 5時0分
facebook X mail url copy

拡大

広東省深セン市竜崗区内でこのほど、ロボット6S店が開店した。消費者に対してだけでなくロボットを開発販売する企業にとっても「ワンストップサービス」が提供され、利便性を向上するという。

中国メディアの工人日報によると、広東省深セン市竜崗区内でこのほど、ロボット関連の販売や各種サービスを手掛けるロボット6S店が開店した。販売や各種サービスを1店舗で行うことで消費者に利便性をもたらすだけでなく、ロボットを開発する企業にとっても、各種の業務が一つの建物内だけで事足りることで、利便性と効率の向上をもたらすという。

中国では自動車の4S店という名称が定着している。完成車の販売(セールス、Sales)、部品(スペアパーツ、Spare parts)の入手、サービス(Service)の提供、情報収集とフィードバック(Survey/Feedback、サーベイ/フィードバック)を行う店舗のことだ。ロボット6S店ではさらに「レンタル」と「個別カスタマイズ」の業務が追加された。

ロボット6S店では開店初日、幼児がつま先立ちになって、あいさつするロボットと握手しようとしていた。ロボットは子どもの声で「こんにちは、お会いできてうれしいです」と話した。その瞬間、子どもの目が輝いた。子どもを連れて来た親も「ロボットって働くだけじゃなくて、こんな『遊び』もできるんですね」と、笑顔で語った。

ロボット6S店は「展示と販売の一体化」を始めて打ち出した。ロボットの性能を示す数字を見せられても、冷たく無機質な印象しか持てないだろう。この店舗では、ロボットと触れて相互交流することができる。ロボット6S店では、来店者が人型ロボットの関節の柔軟性を間近で観察したり、ロボット犬に指示を出して交流したり、ロボットの日常的な補助機能を体験したりすることができる。こうした実体験を通して、人々のロボット技術への理解と信頼を築いていくことが狙いだ。

6S店内にある「ロボット部品スーパー」も注目すべき施設だ。ここにはサーボモーター、センサー、減速機といった中核部品があり、主な人型ロボットやサービスロボットの修理ニーズをカバーしている。竜崗区人工知能(ロボット)局の趙局長は、「家庭用サービスロボットのセンサーの故障でも、工業用巡回ロボットの機械アームの損傷でも、必要な部品はここで見つかります」と説明した。専門の技術チームと連携して「迅速な対応・即時修理」を実現し、設備の停止時間を最小限に抑え、ロボットの安定運用を実現するための取り組みという。

ロボット利用の初心者は「買ったのはよいが、使い方が分からない」「技術的な問題があっても誰に相談すればよいか分からない」といった悩みを抱えがちだ。この6S店ではサービス相談カウンターにベテランエンジニアが常駐し、顧客に1対1の操作指導や故障診断プランを提供している。企業顧客に対しては、ロボットの操作担当者がロボットの各種機能を熟練して習得できるよう、それぞれの企業向けの技術研修コースを提供し、購入前から購入後、さらには長期的な技術の向上までを含む「ロボット使用のワンストップサービス」を提供する。

ロボットを開発製造する企業にとっては、市場が何を求めているかを知ることが本質的に重要だ。この6S店では、「ロボット情報フィードバックおよびシーンデータ蓄積システム」を構築し、ユーザーによるロボットの性能や機能、使用目的に対する適応性への評価や、ロボットの実際の使用における運用データの収集を行い、常に更新される「ユーザー需要データベース」および「シーン応用マップ」を形成していく。

趙局長は「データはリアルタイムで開発企業にフィードバックされ、ロボットのアルゴリズム最適化、機能の改良、用途シーンの拡張に対して正確な根拠を提供します」と説明した。例えば家庭で使用されるサービスロボットのデータを分析することで、開発企業は複雑な家庭環境へのロボットの適応能力を重点的に向上させることができる。また、工業の現場からのフィードバックを基に、ロボットの耐干渉性能を最適化することができるという。

6S店が開業した日には、衆擎、宇樹、楽聚などロボット企業26社が協力協定を提携した。各社は技術開発、シーンの共有、市場拡張などの分野で深く協力し合い、ロボット産業の標準化建設と大規模応用を共に推進していく。趙局長は6S店について「私どもが構築しようとしているのは単なる販売チャネルではなく、『技術開発-シーン検証-市場販売-データフィードバック』という循環型のエコシステムなのです」と説明した。6S店には、ロボット産業の「革新の実験畑」となり、リソースの統合、技術の共有、シーンの共創を通じて、中国のロボット企業が「個別戦」から「集団戦による共栄」へと転換することを促進することが期待されているという。

ロボット6S店にはすでに200社を超える産業チェーンの上下流企業が入居意向を示しており、うち人型ロボットおよびサービスロボット関連企業は約50社だ。入居が進むことでコア部品の研究開発から完成品の製造、ソフトウェアのアルゴリズムからシーン別の応用まで、全産業チェーンの各段階がカバーされることになる。

6S店が構築した産業エコシステムでは、階を移動するだけで部品サプライヤーから完成品製造企業まで行ける。産業チェーンの各段階の企業がいつでも対面でやり取りできる。技術的な問題も短時間で解決策が見つかる。

前出の「ロボット部品スーパー」は、ロボット開発企業にとっても極めて大きな意義がある。四つ足ロボットや人型ロボットを製造する霊スー智能(「スー」は金へんに「思」)の開発責任者である林欽鴻氏は、「以前ならば適合するセンサー一つを見つけるために3社も5社もサプライヤーに連絡して、半月もかかることがありました。今ではロボット部品スーパーに行けば半日もあれば済み、現場で互換性のテストまでできます」と説明した。

林氏は、このような「密集型企業配置」が、企業のコミュニケーションコスト、物流コスト、協力コストを大幅に下げ、革新の効率を大きく高めると述べた。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

noteに華流エンタメ情報を配信中!詳しくはこちら


   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携