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中国出身の成明遠氏初の作品展が東京で開催されている。
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オランダのポスト印象派画家ゴッホが自身の名言「芸術自身を含めて、不朽なものはない。唯一不朽なものは芸術が人と世界へ伝えた理解だ」を通じて、絵画に対する態度を語っている。
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24歳の成明遠氏は自身の絵筆で人と世界への理解を説明している。初の個人作品展「虚無『…』・本源・永遠に残る」が7月29日から8月4日まで東京で開催される。芸術を通じて、自己・宇宙と虚無に関する哲学的な探求を切り開いていく。
成氏は個人作品展のテーマの意味について、「私の宇宙では、虚無は何もないことではなく、まだ名付けされてない存在だ」と話す。
「虚無『…』・本源・永遠に残る」というテーマの個人作品展に備え、成氏は油絵と硬筆画などの作品約20点を厳選した。これらの作品の創作のきっかけは主に三つある。一つは何の目的もなく、純粋に面白いと思って創作した作品。一つは心の感情の表れで、心底のつらさと渇望を形にしたいという思い。もう一つは宇宙観における異なる設定やキャラクターを展示したいと思いで、これも出展のテーマの源だ。
成氏は「The divine being that the gods on sirius believe in.」という作品について、「第3類作品は濃い青をメインとした油絵だ。例えば、展示パンフレットの表紙に印刷された絵は自分の宇宙におけるキャラクターだ」と説明した。無数の円と楕円形が重なり合い、この配列により、独特の視覚効果が得られる。ボールペン画に含まれるエネルギー磁場と油絵の豊富な色彩が備わっている。これについて、「絵の形態は高次元の投影に似ている。その存在の形態は個体物質の形態を超えている」と説明した。
成氏の作品はよく「別次元の破片のよう」と形容される。この評価は主に作者の独特な宇宙観にちなんでいる。成氏の目で見れば、自身の芸術世界は現実の物理法則を超越した「個人宇宙」のように、科学、神話、ゲーム、夢がここで巧妙に融合されている。
成氏はニューヨークのスクール・オブ・ビジュアル・アーツの4年生だ。24歳という若さでありながら、芸術に対する認識や感覚は多くの同年代の人々を超えている。
成氏が芸術の道を歩み始めたきっかけは、小学1年生の時のゲームセンターでの体験だ。刺激的なゲーム画面とさまざまなキャラクターが印象的で、家に帰ってすぐに粘土でゲームの登場人物を作り、仮想のゲームシーンを現実にした。想像力に満ちたゲームの世界で、成氏は粘土を通じて、自分が直面した関所を巧みに乗り越え、仮想世界で実現できなかった遺憾の意を払拭した。
小学5年生の時に粘土への愛着がより鮮明になった。可塑性が優れて、普通の粘土よりも繊細で保存しやすい特殊な材質の粘土を知った。それからの7~8年の間、粘土作りの創作に没頭した。この新しい材料が作品に新たなエネルギーを注いだ。
その後、硬筆画を学び、硬くて明るい線を通じて、心に秘めた奇妙な世界を描くことが好きになった。成氏は「サインペンとボールペンを通じて、心から伝えたいエネルギーをよりよく表した」と話す。ここ数年は油絵に興味を持つようになり、この豊かで繊細な色彩の下で、心の世界がより具現化している。
ドイツ人画家パウル・クレーが「芸術は目に見えるものを再現することではなく、目に見えないものを見えるようにすることだ」と述べたが、成氏の芸術の歩はまさにこの観点を体現している。
成氏の芸術の道は決して順風満帆ではなかった。大胆かつ斬新で独特な作品は幼い頃からの芸術スタイルへの執着とこだわりに由来する。
成氏は子供の頃に絵画教室に通ったことがある。そこで先生が生徒に早く絵を描くように要求した。成氏はこれを聞いて、創作する心境が落ち着かなく、焦った。独特の画風が一部の先生に認められず、「落書きだ」と叱られたこともある。
成氏は小燕画院に入り、そこで自信を取り戻したと語る。小燕画院の院長や先生は成氏の画風を非難も干渉もせず、認めてくれた。自分のスタイルを大切にするよう励まされ、この導きと親切は光のように、大きな自信と前進の原動力となった。
成氏は両親にも感謝している。「自分の創作を止めず、自然のままにしてくれた」と感慨深げに話した。家族の励ましと支持のおかげで、芸術の才能が持続でき、その道で絶えず進歩させてもらった。
成氏は今回の個人作品展が開催できるのは家族のおかげだと話した。2024年1月に日本でおばに会った時、個人作品展を開いたらどうかと言われた。これは今まで考えられなかったことだ。成長の道のりのつらさの影響で、成氏の性格は控えめだ。「いつもこれらの良いものを隠し、沈殿させ、いつか披露したいと思っていた」と話す。
今回の個人展はスタートに過ぎず、未来には長い道のりがあることを知っている。成氏にはまだ小さな願いがある。今後、大きなサイズの作品を作り、通常の画用紙サイズの束縛を破りたい。芸術創作の中で絶えず模索し、終始大胆に革新を起こし、枠を破りたい。
「芸術家は自分の感覚を忠実に守り、独特のスタイルで世界に対する認識を表すべきだ」と話す。創作スタイルは外部に定義されてはならず、理解されないなどの苦境に直面しても、自分の道を堅持しなければならない。
今回の個人作品展の企画者として、小燕画院の張晋君院長は成氏を高く評価している。成氏は純粋で天才であり、絵に執着する魂の絵師だと称えた。
張院長は成氏が小燕画院に初登校した時は高校生だったとし、当時から優れた絵の才能を持っているだけではなく、学習能力が優れており、技法を覚えるのが早かったと振り返る。
また、「物語を精確にコントロールし、創作スタイルへの執着、そして自己と世界への認識において、絶えず深く掘り下げている」とし、絵の造形がユニークで、強烈なインパクトを与えると称賛した。独特な風格を示しており、ほとんどの同年代の学生は追いつかないという。
張院長は成氏が完全な創作システムを構築し、独特の画風を形成することを望んでいる。純粋性を保ち、知識を蓄積し、敏感度と自発性を保ってほしいとし、絵を描く他にも今後はより多くのメディアや表現方法にチャレンジすることができると話した。芸術は絵と世界観を作ることだけでなく、環境を整え、展示プラットフォームを構築し、さまざまなメディアで作品を発表することも同様に重要だと述べ、支持の意を示した。
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