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日本のパスポートの国際ランキングは韓国と並ぶ2位だった。一方で、パスポートの保有率はわずか17%台だ。写真は成田空港。
2025年、日本はパスポートの国際ランキングは韓国と並ぶ2位だった。一方で、パスポートの保有率はわずか17%台。さらに、航空会社ランキングでは全日空(ANA)が5位、日本航空(JAL)が9位に後退し、韓国の大韓航空に逆転された。この現象は値千金のパスポートを持て余している日本の移動力が低下している側面を映し出しているかもしれない。
ヘンリー・パートナーズが発表した「2025年世界最強パスポートランキング」では、米国は182カ国にビザなしで渡航可能ながら、過去最低となる10位に後退した。
米国の順位は14年にトップにランクされていたもののその後は下降、前年の8位(184カ国)からさらに2カ国分のアクセスが失われ、今回も二つ順位を下げた。米国がビザ免除を提供している国がわずか46カ国にとどまるという閉じた姿勢が関係していると言われている。
日本のパスポートは192カ国にビザなしで渡航可能という「最強クラス」の性能を持ちながら、保有率は約17%にとどまっている。つまり、6人に1人しかパスポートを所持していない。13年の24%から大きく低下しており、円安や物価高、若年層の海外志向の低下、コロナ禍を経た内向き志向などが影響していると考えられている。
一方、韓国のパスポート保有率は50%とも60%とも言われている。渡航自由度では制約がまだ残るものの、中国本土のパスポート保有者数も2億5000万人に及ぶと言われ、比率は日本と同程度という計算になる。いかに日本のパスポート所有率が低いことが、ここからも読み取れる。
パスポート力とは別に、移動の自由を評価する指標として注目したいのが航空会社の格付けレポートだ。スカイトラックスが発表した「2025年 世界ベスト航空会社ランキング」では、ANAが5位(前年4位)、JALが9位(前年6位)にランクインした。
ANAとJALは空港サービスや客室乗務員の対応といった個別評価では依然として高い評価を維持しているにもかかわらず、総合ランキングでは順位を下げた。中でもJALが韓国の大韓航空に抜かれるという結果が衝撃を与えている。
日中路線を見ても、日本人の搭乗率は目に見えて低下しており、こうした動きが、高評価ブランドであるはずの日本の航空会社が総合力で順位を落とす要因の一つとなっているといえそうだ。
アジアの隣国は着実に移動力を行動へと変え、世界との接点を広げている。一方、日本は最強のパスポートを持ちながら、その力を眠らせたままだ。二つのランキングが映し出したのは、日本が今、世界との関わり方を問われる静かな分岐点に立っているという現実だ。(提供/邦人NAVI-WeChat公式アカウント・編集/耕雲)
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