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仏国際放送局RFIの中国語版サイトは27日、「中国の大学は卒業証書の価値が下がる一方、学費は急上昇している」と報じた。資料写真。
仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは27日、「中国の大学は卒業証書の価値が下がる一方、学費は急上昇している」と報じた。
記事はまず、「中国の大学の学費は今夏、『5000元(約10万円)時代』に正式に別れを告げ、『1万元(約20万円)時代』が本格的に到来しつつある」と言及。中国では9月が新学年が始まる時期で、記事は複数の中国メディアの報道として「今年はすでに20を超える地域で大学の学費が引き上げられた。平均で10~15%、上海や四川などの一部地域の引き上げ幅は20~35%に上る」と伝えた。
また、貴州大学の学費が5000元から6500元(約13万円)に、雲南大学では4200元(約8万4000円)から6000元(約12万円)に引き上げられたことを紹介したほか、「私立大学ではさらに顕著だ」として、南京伝媒学院のアナウンス専攻で1万元上昇したことも取り上げた。
一方、中国国家統計局のデータによると、2024年の都市部住民の1人当たりの平均可処分所得の中央値は4万9302元(約98万6000円)、農村部では1万9605元(約39万2000円)で、記事は「子ども1人の1年分の学費だけで一般家庭の年収が消えることを意味している」と伝えた。
記事はさらに、学費値上げの背景にあるものとして「国の財政圧力」に言及し、「中国の大学は1999年から定員を毎年拡大して進学率は4%から約60%に上昇したが、中国教育部の2025年の高等教育割当金は前年比で約4.7%減少した」と説明。「財政圧力が省や市の大学に波及し、教育予算を学生からの学費に依存せざるを得ない状況になっている」としたほか、資金不足を補うために公立大学はサービスの有料化を始めていると指摘した。
この一方で、記事は「大学の卒業証書は価値を保持できなくなった」として、卒業生の約33%が専攻とは無関係の仕事に就いているというデータを紹介。また、「給料水準も期待に合致していない」と述べた上で、23年の報告書を基に「卒業から半年後の平均月給は6050元(約12万1000円)で、1万元突破はわずか7%にとどまる。これは多くの都市部のホワイトカラーの平均初任給を大きく下回っている」と説明した。
記事は最後にメディアによる調査として、「中国の一般家庭は子どもを大学に進学させるために全力を尽くし、寮費や生活費などを含めると4年間で少なくとも15万元(約300万円)かかるが、卒業後に就くのは月給5000元の仕事かもしれない」と伝えた。(翻訳・編集/野谷)
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