中国水利部長江水利委員会長江科学院によると、2025年の長江水源総合科学観測チームは7月27日に中国中部の湖北省武漢市を出発し、同日午後には青海省内にある長江の源流である通天河の一部である直門達流域に到着し、サンプル採取と科学観測を行いました。2025年分の長江源流の科学観測活動の幕あけです。

科学調査隊の隊員は同日午後、長江の源流である直門達流域で携帯型多機能測定器を用いて水質や電気伝導率などを測定し、川の水と泥沙のサンプルを採取しました。これらのサンプルは観測活動の終了後に実験室に送られ、詳しい理化学分析が行われます。

隊員は、「河岸で高原特有の魚類を発見した。孵化したばかりで、わずか数ミリメートルのものもあった。このことは、魚類の産卵場所が河岸に近い流れが比較的遅い水域にあり、水生生態環境が魚類の繁殖と成長の条件を満たしていることを証明するものだ」と説明しました。

科学観測チームは今後の観測行程で、これまでの調査成果を踏まえて長江の主たる源流である沱沱（だだ）河、南の源流の当曲（ダムチュー）、さらに瀾滄江の源流域を対象に科学観測を行います。観測内容には三江源（長江、黄河、瀾滄江の3つの大河川の源流）地域の生態環境を全面的かつ深く把握ための水文、泥沙、河道、生態環境、氷河や凍土などがあります。

三江源地域は気候の変化に敏感に影響する生態環境が気ぜい弱な地域であり、青海チベット高原の生態系システムの重要な一部です。

この科学観測は2012年から毎年行われており、長江水源に対する実施回数が最も多く、対象地域や分野が最も広い科学研究活動の一つです。この科学観測は長江源流地域を保護するための科学研究の重要な支えであり、貴重な生態系環境データと資料を大量にもたらす活動です。（提供/CRI）