「鬼滅の刃」登場キャラクターの羽織や和服の柄に込められた意味とは?―台湾メディア

Record China    2025年7月29日(火) 23時0分
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 27日、台湾メディアの琅琅悦読は「鬼滅の刃」の登場キャラクターの羽織や和服の柄にはどのような意味が込められているのか考察した記事を掲載した。

2025年7月27日、台湾メディアの琅琅悦読は、「鬼滅の刃」の登場キャラクターの羽織や和服の柄にはどのような意味が込められているのか考察した記事を掲載した。

記事はまず、「竈門炭治郎(かまどたんじろう)の羽織の柄は黒と緑の市松模様である。市松模様は2色の正方形が交互に並ぶ格子模様であり『石畳』や『霰(あられ)』とも呼ばれる日本の古くからの伝統的な柄である。この柄が『市松』と呼ばれるようになったのは江戸時代中期以降で、当時の歌舞伎役者である佐野川市松(さのがわいちまつ)に由来する」と紹介した。

その上で、「市松は当時の人気スターであり、彼が『心中万年草』(別名『高野山心中』)という演目で粂之助(くめのすけ)役として格子柄の袴を着用したことから『市松模様』と呼ばれるようになり、今日に至るまで定着している。市松模様は上下左右に無限に連続できるため、子孫繁栄や商売繁盛の縁起の良い柄としても知られている」とし、「炭治郎の妹・禰豆子(ねずこ)の帯も市松模様であり、竈門家は多くの和服にこの柄を用いる習慣があるようだ」と考察した。

また、「竈門兄妹を追う鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)は、上弦の陸・堕姫(だき)に対し、『禰豆子は麻の葉模様の着物に市松柄の帯の娘だ』と伝えた。禰豆子は幼少期から麻の葉模様の着物を着ていたとみられ、兄への思いやりからか、あるいは本心なのかは定かではないが、炭治郎が『また着物を直しているのか。買わないとダメだな、新しいのを』と言った際、禰豆子は『いいよいいよ大丈夫。この着物気に入ってるの』と断っていた」と紹介した。

そして、「麻の葉模様は、正六角形を中心に放射状に広がる星型の文様で、一定の規則に従って連続して配置される柄である。麻は成長が非常に早く、短期間で1メートルから3メートルにまで成長する。また日本には『麻の中の蓬(あさのなかのよもぎ)』ということわざがあり、『善良な人と交われば、自然に感化を受けて良くなる』という意味がある。このように、麻の葉模様は子どもの健やかな成長を願う象徴として、日本では古くから新生児の衣服にこの柄を用いる伝統がある」と説明した。

記事は続いて、我妻善逸(あがつまぜんいつ)の羽織の柄について、「育手である鳴柱・桑島慈悟郎(くわじまじごろう)と同じ柄で色違いである。三角形の柄は一見バラバラに見えるが、よく見るとすべて同じ方向を向いており、鱗文様に似ている。鱗文様は龍の鱗に由来し、子孫繁栄や厄除けの意味を持つ。善逸の師匠である慈悟郎は雷の呼吸の使い手であり、善逸自身も雷に打たれて金髪となった。彼らの雷との関係性から、羽織の柄は龍の鱗を象徴していると考えられる」と論じた。

水柱・富岡義勇(とみおかぎゆう)の羽織については「2種類の布を半分ずつ縫い合わせた片身替り(かたみがわり)と呼ばれる和服である。かつて布は貴重品であり、衣服が破れても簡単には捨てず、複数の古着の中から比較的状態の良い部分を選んでつなぎ合わせ、染め直して一着の衣服に仕立て直したり、破れた服を別の衣類に作り替えたりしていた。桃山時代以降、商人の台頭により華やかな桃山文化が花開いた。節約技術だった片身替りはファッション要素となり、能の衣装や陶器の文様にも用いられた。このように庶民の工夫が上流階級に取り入れられ、広まった過程は興味深い」と述べた。

そして、「義勇の羽織の左半分の柄は特に特徴的で、多くの立方体が重なり合ったような模様である。これは作者のオリジナル柄とされるが、亀甲紋の一種・重ね亀甲の変形と見ることもできる。『鶴は千年、亀は万年』という言葉がある通り亀は長寿の象徴であり、亀甲紋は健康長寿を祈願する縁起の良い柄として古くから愛され、多様なバリエーションを生み出してきた」と言及。「この亀甲紋は鱗滝左近次(うろこだき)の弟子であり、後に炭治郎を導く少年・錆兎(さびと)の着物の形見である。錆兎は義勇と同期で親友であったが、義勇たちを救うために選抜試験で単独で鬼と戦い、命を落とした。また、義勇の羽織の右半分は姉・蔦子(つたこ)の海老茶色の着物の形見である。つまり、義勇は左右に2人への想いを背負っているのである。これが普段は寡黙な義勇の最も強い意思表示である」と強調した。

このほか、「蛇柱・伊黒小芭内(いぐろおばない)の羽織は黒と白の太いしま模様の好感が持てるデザインである。日本でもしま模様は広く親しまれており、しまの太さや色を変えて多様な柄が生み出された。日本語では縦しまを『ストライプ』、横しまを『ボーダー』と呼ぶが、英語では縦・横・斜めのどれもが『ストライプ』である。さらに『ボーダー』は本来『縁』や『境界』を意味する言葉であり、横しまの意味としては誤解を生む。キリスト教圏ではしま模様は不吉とされ、罪人や社会的に低い立場の人々の象徴と見なされていた」と言及した。

そして、「この点から、小芭内が幼少期に座敷牢に幽閉されていた過去が思い起こされる。ただし、小芭内がとらわれていたのは罪を犯したわけではなかった。時代が変わるにつれてしま模様の負のイメージは薄れ、現在はカジュアルファッションの重要な要素として定着している。日本では『しま模様=悪いもの』という観念はないが、猗窩座がかつて罪人の証として手首に入れられた入れ墨はしま模様の範囲に入ると言えるだろう」と論じた。(翻訳・編集/岩田)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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