2025年7月27日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国政府が高級自動車に対する課税を強化したことについて「ドイツの高級車メーカーは試練に直面することになる」と報じた。

記事は、中国が今月20日より新たな高級車税政策を導入し、130万元（約2600万円）が基準となっていたガソリン車の課税対象価格が90万元（約1800万円）に引き下げられたほか、これまで対象外とされてきた電気自動車（EV）にも90万元（約1800万円）の課税対象基準が設けられたと紹介。この新たな税制により、メルセデス・ベンツやポルシェ、アウディ、BMWといったドイツの高級自動車メーカーは、中国市場で新たな課題に直面することなったとした。

その上で、ドイツメーカーの反応として、BMWが「高級車を購入する消費者は税金が追加されることで購入をためらったりしないので、大きな影響は生じない」との見解を示し、アウディも中国展開するごく一部の車種のみが影響を受けるとコメントした一方、ポルシェは現在、影響の可能性について検討している最中であるとし、メルセデス・ベンツはコメントを出していないと伝えた。

また、新たな制度に対する専門家の見方についても触れ、中国乗用車市場信息聯席会（CPCA）の崔東樹（ツイ・ドンシュー）秘書長が「合理的だ」とし、高級車が中国自動車市場全体に占める割合はごくわずかであり、自動車の輸入量も近年大幅に減少していることを指摘したと紹介。ドイツの自動車専門家であるフェルディナント・ドゥーデンヘッファー氏は「ドイツメーカーに全く影響を与えないわけではない」とし、ドイツブランドが現在中国市場で優位に立っている大排気量のガソリン車で特に大きな影響を受けることになり、あらゆるブランドが程度の差こそあれ影響を受けことになるとの見通しを示したことを伝えている。（編集・翻訳/川尻）