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尼山フォーラムの取材を終え、曲阜から北京に戻る高速鉄道の中で、曲阜市の担当の方からメッセージが届きました。
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尼山フォーラムの取材を終え、曲阜から北京に戻る高速鉄道の中で、曲阜市の担当の方からメッセージが届きました。そこには、「もし、答えてくださる方がいれば」ということでお願いしていた質問の回答がありました。
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その質問は「儒教の“三従四徳”は現代の考え方にそぐわないのでは?」というものです。三従四徳は儒教において理想とされた女性像で、三従は「女性は父に従い、夫に従い、老いては子に従う」、四徳は「婦徳、婦言、婦容、婦功」という良妻賢母のモデルを表しています。
ジェンダー平等が重視され、結婚・出産も個人の選択のひとつとされる現代において、「世界の儒教」はこの問いにどう向き合うのでしょうか?
私はこの問いに対する孔子研究院副研究員の武寧先生の回答を読み、「日本人だからこそ、中国文化を知っているつもりになり、実は誤解していることも多いのかもしれない」と気づかされました。少し長文になりますが、以下に全文を引用します。
「三従四徳」は、儒家思想が長い歴史の中で曲解され、利用された典型例のひとつです。「従」という字は本来「補佐する・支える」という意味であり、「盲従する・服従する」ということではありません。「徳」は女性の4つの美徳を指しますが、時代の変遷の中で、統治者によって意図的に誤用され、女性を制御・抑圧する精神的な枷となってしまいました。「嫁いだら夫に従う(既嫁从夫)」という教えも、本来は「夫婦が互いに敬意を持って接し、支え合う」という意味であり、現代の価値観とも相通じるものです。伝統文化を扱う際には、単純で乱暴に判断するのではなく、その本来の意味や根源を正しく理解することが大切です。(孔子研究院副研究員・武寧先生)
最近、国際ニュースでも目にすることが多い『論語』の一節「和而不同(和して同ぜず)」。今回の尼山フォーラムでも何度も登場したこの言葉は、「他者と調和しながらも、自分自身の考えや主体性を失わないこと」を意味します。争いを避けることを美徳とし、「附和雷同」しがちな日本人にとって、今必要なことは「不同」を貫く強さと責任感かもしれません。そんなことを考えるきっかけになった曲阜の旅でした。(提供/CRI・文、写真/鳴海美紀)
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