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曲阜の新たなランドマーク「尼山聖境」で開催された第11回尼山世界文明フォーラム。その一角には「中医薬文化体験館」が設けられていました。
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曲阜の新たなランドマーク「尼山聖境」で開催された第11回尼山世界文明フォーラム。その一角には「中医薬文化体験館」が設けられていました。
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入り口の脇には中医薬ドリンクの試飲コーナー。「利咽茶」「烏梅生津飲」など、酷暑の夏に良い生薬を使った飲み物が置かれています。現在、こうした中医薬ドリンクは健康ブームに乗って製品化され、コンビニなどでも手軽に購入できるようになっています。
会場にはさらに、耳針や吸い玉の体験、普段は予約を取りにくい名医による診断など、さまざまなサービスが提供され、行列ができていました。
中でも私の興味を引いたのが「自動四診機」です。「四診」とは中国医学独自の診断方法で、目で見る、音を聞く、においを嗅ぐ、脈をとる、問診をするといった五感を使った総合的な診断法です。
まずは、舌の写真を撮影。次に手首にバンドを巻き、脈診を開始します。血圧測定と同様に、空気で圧力を調整し、「浮・中・沈」と呼ばれる三つの深さの脈を10秒ずつ計測。その後は10問ほどの質問にチェックマークを入れると即座に診断結果が出力されます。
数字や画像で示される西洋医学に対し、中医の診断はある意味「個人の経験と熟練の技」に頼る部分が大きく、均質化が難しいとされてきました。そんな診断を果たして機械がどこまでできるのでしょうか?その結果がこちらです。
舌と脈の分析、「気虚・陰虚・痰湿・血瘀」などの中医的体質診断、「中医体質健康アドバイス」として診断結果に基づく食事、薬膳レシピ、運動、ツボとセルフマッサージなどが、具体的に示されています。診断から出力までの所要時間はわずか4分。精度も高く、実用的。正直なところ、経験の浅い若手中医師よりも優秀なのではと感じるほどでした。すでに一部の病院にも導入されているそうです。
これまで中医の診断は、経験に頼る部分が大きく、医師の力量による差も大きいとされてきました。その一方で、中医学が蓄積してきた膨大な症例データとパターン認識の体系は、AIとの親和性が高く、「AI✕中医学」の新時代が来るとも言われていました。その成果の一例がまさにこの「自動四診機」です。
中国文化の精華のひとつである「中医」が、儒教精神を体現する医療として、また、最も古く、最も新しい医療として世界展開していく。そんな未来が垣間見えた気がしました。(提供/CRI・文、写真/鳴海美紀)
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