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「高速鉄道の列車に乗車中はにおいが強い食品を食べないように」――そんな注意喚起が中国のネット上で物議を醸している。
「高速鉄道の列車に乗車中はにおいが強い食品を食べないように」――そんな注意喚起が中国のネット上で物議を醸している。飲食を控えるべきとされたのはドリアンやインスタントラーメンなどだが、そのタブー視には賛否両論がある。是非を巡る書き込みが続いている。
中国の鉄道チケットの公式予約・購入プラットフォーム「12306」が示した高速鉄道車内での飲食に関する見解が話題を集めている。列車内ではインスタントラーメンやドリアンといったにおいが強い食品の飲食を控えるように求めたものだ。公共空間、特に閉鎖的な車内空間を快適に保つための措置として説明されている。
以前なら寝台列車に乗り込み、長い列車の旅に康師父をはじめとした即席食品を列車内に持ち込むのは通例だったが、高速鉄道が普及した現在、車内販売でカップ麺が扱われることはまずない。
中国ではかつて、市内の地下鉄の車内でも飲食する乗客が珍しくなかった。朝夕のラッシュアワーでもパオズにかぶりつき、小籠包やカレーライス、おでんといった汁物を車内で箸を使って立ち食いするツワモノも珍しくなかった。
もっとも、今では上海、北京、広州、深センなどの中国の主要都市では地下鉄車内での飲食が規制されており、罰則の有無や厳格さに地域差がある。北京では罰金が高額な可能性があり、深センも駅構内での規制が強化されている。
一方、鉄道の列車車内での飲食を規制する明文化されたルールはない。12306によると、加熱パッドを含まない普通のインスタントラーメンは通常列車内に持ち込んでよいという。そして、食べる際には周囲の乗客に配慮するようにという注意喚起がなされている。
これは日本の新幹線に乗車するときの感覚と大差ないだろう。駅弁はもとより車内で飲食をタブーとする動きはない。ただし、汁物(特にスープなど)の飲食は推奨されず、自制するのは暗黙の了解だ。こぼれないように密封されたものは別として、液体の管理は何かと面倒だ。列車内の環境を清潔かつ快適に維持するためには必要な配慮だといえる。
たばこの副流煙と違って、車内での飲食が他の乗客の健康に直ちに影響を与えることはない。しかし、高速鉄道での飲食マナーについて明確なルールが必要だと主張する声も絶えない。一方、過剰な規制は避けるべきだという見解も根強く存在している。
他者への配慮を優先するあまり、自分の行動に制約が生じることもあるだろう。ジレンマの中でちょうどおいバランスを見極めることこそが車内マナーの課題といえそうだ。
もっとも、公共空間ではマナー意識が重要な一方で、私たち自身のにおいや騒音に対する許容度は以前と比べるとずいぶんとデリケートなものになっているといえそうだ。(提供/邦人NAVI-WeChat公式アカウント・編集/耕雲)
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