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天津市内で15日、エアバス321の胴体に各種システムを装着する作業が始まった。A321についてのこの作業が欧米および北米以外で行われるのは初めて。
民間航空関連情報を扱う中国民航網によると、天津市内で15日、エアバス321(A321)の胴体に各種システムを装着する作業が始まった。A321についてのこの作業が欧米および北米以外で行われるのは初めて。作業はエアバス社側と中航西安飛機工業集団傘下の西飛機国際航空製造(天津)有限公司(以下、中飛天津)が行う。
旅客機の製造工程は、大きく(1)部品や部材の製造、(2)前部胴体や中部胴体、後部胴体、主翼、尾翼といった主要構造部の製造、(3)胴体などへの各種システムの装着、(4)最終組み立て――に分けられる。(3)の段階は、胴体に対して、作業の確実性や安全性を高めるための前処理としての絶縁や遮蔽装置の取り付け、各種装置を取り付ける支持具の設置、さらに電気、電子、排水、酸素、飛行制御、油圧に関連するシステムや装置の取り付けと機能試験が行われ、かなり複雑な工程だ。
A321機の胴体各部は7月初旬に海路で天津港に到着し、西飛の天津工場へ搬送された。今後は約50営業日にわたりエアバス側のチームが中飛天津と密接に連携して各種のシステムや装置の胴体への取り付け作業を行う。作業完了のめどは10月で、その後は天津市内のエアバス法人(以下、エアバス天津)の最終組み立て工場に運ぶ。
A321はA320シリーズの中でも最も胴体が長い。客席部を貫通する通路は1本でナローボディー機だが、最大座席数は220席で、A320neoの194席やA320ceoの180席と比べて、搭乗可能な人数はかなり多い。
中飛天津は2021年6月からA320の胴体に各種システムを装着する作業を手掛け、25年6月末までにエアバス天津に104機の機体を納入した実績がある。エアバスと中飛天津は24年の中国国際航空航天博覧会(珠海航展、珠海航空ショー)で、胴体への各種システムの装着作業の対象を、それまでのA320からA321にも拡大することを発表した。
今回の提携拡大は、エアバスのナローボディー機の製造における双方の協力範囲の拡大であるだけでなく、エアバスにとって中国現地化戦略をさらに推進する重要な施策だ。中航西飛は、エアバス天津への翼部品納入と胴体へのシステム装着の双方に参画することで、中国国内でのエアバス機製造のサプライチェーンの効率向上にさらに寄与することになった。同社はいわば、エアバスと中国企業の協力を象徴する存在だ。
エアバスA321は航続距離の長さや燃費性能の向上、騒音や排出ガスの低減、先進的な航空電子機器や操縦系統の導入、さまざまな航空会社の求めに応じやすい多様な座席構成への対応といった特長により、エアバスの新世代のナローボディー機の主力機種になりつつある。エアバス天津が24年以降に納入するA320シリーズの約40%がA321だ。(翻訳・編集/如月隼人)
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