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中国科学院上海天文台の国際共同研究チームは500メートル口径球面電波望遠鏡「FAST」を利用して、星間ガス雲中で超音速乱流が支配する復雑なフィラメント状構造ネットワークを世界で初めて観測しました。
中国科学院上海天文台の国際共同研究チームはこのほど、中国の「天眼」と呼ばれる500メートル口径球面電波望遠鏡「FAST」を利用して、星間ガス雲中で超音速乱流が支配する復雑なフィラメント状構造ネットワークを世界で初めて観測しました。これは構造形成の初期段階にある星間物質進化メカニズムの解明に新たな視点をもたらす研究成果であり、国際学術誌「ネイチャー・アストロノミー(Nature Astronomy)」に7月16日にオンライン掲載されました。
観測対象の星間ガス雲「G165」は極高速雲(HVC)と呼ばれる水素原子で構成された大質量ガス雲で、地球から約5万光年離れた銀河系外縁部を秒速約300キロで移動しています。G165は恒星の放射や重力擾乱(重力場の理論値と観測値の差)などの影響がほとんど及ばない遠い孤立環境にあるため、星間雲の初期形成や進化プロセスを研究する理想的な天然のサンプルとなっています。
FASTの超高感度と高空間分解能により、従来解明されていなかった超高速雲の内部構造の詳細を観測し、明らかにすることができました。研究によると、G165の内部には顕著な超音速の乱流が確認され、局所的な速度変動は毎秒20キロを超えています。FASTの中性水素21cmスペクトル線による観測では、G165の内部が複雑に絡み合うフィラメント構造が鮮明に捉えられました。これらのフィラメント構造は3次元空間でねじれた形態を示し、顕著な非対称性を示しています。これは星間雲の初期段階の形成において、乱流と磁場が支配的な役割を果たしていた可能性を示唆し、物理的メカニズムの解明に重要な手がかりとなります。
研究チームは今後もFASTを用いて極高速雲の体系的な観測を継続し、星間構造形成の物理法則をさらに探究していく方針です。(提供/CRI)
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