【観察眼】政治目的の経済操作と経済法則、衝突すれば市場が結論を出す

CRI online    2025年7月18日(金) 14時0分

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中国でここ数日、多くの重要な市場関連情報が発表された。

「中国市場は規模が大きく、活力とイノベーションに満ちている。中国では人工知能(AI)産業が非常に急速に発展している。米国企業が中国市場に根を下ろすことは極めて重要だ」――。これは、第3回中国国際サプライチェーン促進博覧会(CISCE)に参加するために北京を訪れた米エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が、7月15日、中国のAI産業を評した言葉だ。フアンCEOの中国訪問は今年3回目だった。このことがすでに、中国市場の重要性を浮き彫りにしている。フアンCEOはまた、米政府が同社のH20チップを中国に販売することを承認したと発表した。このことは、米国企業の中国市場を求める動きを、トランプ大統領が阻止することは、結局はできないことを示すものだ。

同じく米国のチップ会社であるアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)もまた、15日になりMI308の中国市場への出荷を再開する可能性が高いと発表した。これらチップ2種は、いずれも中国市場のために設計されたAIアクセラレータだ。AI分野の中国企業の研究開発レベルは世界トップにあり、例えばディープシークなどの企業には大量のH20チップを購入して計算力を高めるニーズがある。中国市場では華為技術(ファーウェイ)が開発した昇騰(Ascend、アセンド)などのチップとの競争に直面するだろうが、現在のところエヌビディアとAMDが優位に立つことは明らかで、中国企業による需要は非常に大きい。実のところチップ製造業だけでなく、すべてのハイテク分野と最先端産業について中国市場は外資企業にとって極めて魅力的だ。

ここ数日間には、多くの重要な市場関連情報が発表された。まず、中国国家統計局の15日の発表によると、2025年上半期中国の国内総生産は物価変動分を控除して前年同期比5.3%増の66兆536億元(約1377兆円)だった。このことは、中国経済が全体として安定し推移し、安定した中で好転していることを示している。人型ロボットメーカーの杭州宇樹科技(ユニツリー)の王興興CEOは15日に開催された民間企業家とメディアの意見交換会で、「ロボット業界全体で、今年上半期の成長は非常に速かった。中国には良い政策とビジネス環境があり、皆が自信を持って研究開発や生産に投入し、未来に向けた新製品や新技術をより多く作り出している」と発言した。

習近平国家主席は、「中国は巨大な投資と消費の潜在力を秘めている。高いレベルの対外開放を揺らぐことなく推進いていく」と強調したことがある。中国商務部は今年2月、電気通信、医療、教育などの分野の開放を拡大した。さらに6月、クラウドコンピューティング、バイオテクノロジー、独資病院などの分野での試験的開放を加速させると表明した。外資が中国で投資して設立した企業は2024年末時点で123万9000社を超え、投資額は実行ベースで累計20兆6000億元(約427兆円)に達した。これらの数字は、開放の度合いを高め続ける中国市場が創出するビジネスチャンスが、外資企業の中国に根を下ろす自信を強め続けていることを示している。

いくつかの外資系企業の中国での最新動向を見てみよう。トヨタは今年4月、上海レクサス電気自動車(EV)とトヨタの先進的動力電池を生産するための146億元(約3023億円)の投資協定を締結した。エアバスは7月15日、A321の機体システムの装備作業で中国企業との本格的な提携を開始した。エアバスの最も売れているナローボディー機の、難度の高い機体システムの装備作業を中国で行うのは初めてだ。外資系企業はこのように、中国市場で投資と協力を絶えず拡大し加速させている。

最後にエヌビディアのフアンCEOが中国のSNSで人気を博した一件をご紹介しよう。フアンCEOは第3回CISCEであいさつした際に、中国の伝統的衣服の意匠に基づく唐装を着ていた。行動は考え方を映すものだ。フアンCEOが唐装を改めて着用したことは、中国市場を非常に重視しているというシグナルを再び発信したものと解釈されている。これは経済法則とトランプ大統領の政治的計算がぶつかった場合、最終的に決定権を握るのはやはり市場であることを示しているのではないだろうか。(提供/CRI

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