過剰生産で窒息する中国経済―独メディア

Record China    2025年7月17日(木) 6時0分

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15日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国経済が生産過剰によって「窒息」状態にあるとするドイツ紙の報道を紹介した。写真は中国の鉄工所。

2025年7月15日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国経済が生産過剰によって「窒息」状態にあるとするドイツ紙の報道を紹介した。

記事が紹介したのは、「ケルン市アンツァイガー」紙の報道。同紙は中国国家統計局が発表したデータによると、22年9月以降下がり続けている生産者物価指数(PPI)が今年6月にも歯止めがかからず、前年同月比3.6%もの落ち込みを記録したと紹介し、経済活動の弱まりとデフレの兆候が表れていると伝えた。

そして、PPIの下落や経済低迷の兆候が現れている主な要因が、中国製品の生産過剰にあると指摘。政府が国家戦略上重要とみなす産業に対して莫大(ばくだい)な補助金を投入してきたこと、各地方政府がこぞって地域内に「チャンピオン企業」を育成しようと過当競争を繰り広げ、採算が合わない企業にまで助成を与えて存続させていることなど、市場原理を無視した助成が過剰な生産能力をさらに拡大させる要因になっていると評した。

また、中国国内で生じた過剰な生産能力は国際市場にまで波及し、中国製品がダンピング価格で大量輸出されていると伝え、欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長が「中国の国家補助金による過剰生産が国際競争を阻害している」と述べるなど、欧米諸国から強い非難が出ているとした。

同紙は、中国政府や共産党が国内の生産過剰についてこれまで一貫して否定してきたものの、近ごろでは党の機関紙「求是」が「内需の低迷と一部産業における生産能力過剰」という現状を公式に認めるなど態度に変化が出ていると紹介。現状への対策として経済政策の意思決定者らは「消費の強化による内需拡大と、市場の統合・再編、すなわち不採算企業の淘汰が必要」との認識を持っているとする一方で、このような構造改革は短期的には大量の失業を生み出し、ひいては社会全体の不安定化につながるという党指導部にとって「非常に恐ろしいシナリオ」を現実化させるリスクをはらんでいると論じた。

同紙の報道からは、生産過剰という中国国内ひいては世界の経済に大きな影響を及ぼす状況の打破に向けて、中国政府や共産党が慎重かつ難しい舵取りを迫られているとの認識がうかがえる。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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