拡大
中国の研究チームは嫦娥6号の持ち帰りサンプルで月の裏側の「磁場の謎」に迫ります。
中国科学院地質・地球物理研究所の李金華研究員が率いる研究チームは、中国の月探査機「嫦娥6号」が月から持ち帰ったサンプルを利用して、各種の磁性鉱物とその独特な磁性がどのように生成され保持されているかを詳しく分析することで、月の裏側では地殻磁場が弱いにもかかわらず土壌の磁性が強いという謎に迫りました。関連する研究成果はこのほど、オンライン国際学術誌の「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載されました。
月の裏側にある南極エイトケン盆地では、地殻磁場は信号強度が非常に微弱であるのに、嫦娥6号が同盆地から採取した月サンプルは強い磁性を示しました。しかも、磁性の度合いはこれまで月の表側から採取されたすべての月サンプルを大きく上回っています。
研究チームは今回の最新研究で、多様な顕微分析手法を用いることで、嫦娥6号が持ち帰った磁性を帯びた月の土壌には起源の異なる磁性を帯びた粒子が2種類存在しており、さらに「二次変成」を経て形成された金属鉄粒子が少なくとも3種類存在していることを発見しました。研究チームは嫦娥6号の着陸地域では地殻磁場は弱い一方で、磁性の強い磁性鉱物が大量に含まれていたことから、月の南極エイトケン盆地の北縁での磁場の強さについて、磁化率が高い外来の金属を含んだ噴出物がより厚く堆積している可能性があると推測しています。
同研究は、小惑星や火星など、その他の天体から得られたサンプル中の磁性鉱物や磁場の進化を研究する上で重要な手掛かりとなっています。(提供/CRI)
Record China
2025/7/15
Record Korea
2025/7/15
Record China
2025/7/15
Record China
2025/7/15
Record Korea
2025/7/15
Record China
2025/7/15