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シンガポール華字メディアの連合早報は10日、「東アジア社会における高齢者による服薬の混乱した状況の背景」について論じた台湾の中国文化大学の博士候補生、羅鼎鈞氏の文章を掲載した。
シンガポール華字メディアの連合早報は10日、「東アジア社会における高齢者による服薬の混乱した状況の背景」について論じた台湾の中国文化大学の博士候補生、羅鼎鈞氏の文章を掲載した。
文章によると、医薬品と健康食品の社会における混乱した状況はシンガポールに限ったことではない。特に世界的に高齢化が顕著になる中、東アジアの国・地域では高齢者による服薬の安全性が公衆衛生上の深刻な課題となっている。台湾、香港、日本からシンガポールに至るまで、これらの東アジア社会は概して同様の問題に直面している。高齢者による過剰な服薬や健康食品の誇大広告の誤信、さらには違法薬物流通のわなが、深刻な健康被害と制度的な資源の浪費を引き起こしている。
文章は、これについて「個々の消費者の選択における過ちではなく、医療制度の欠陥や情報の非対称性、文化的迷信、業界に対する監督管理の弱さなどに根ざした体系的な問題だ」と指摘した。
文章はまず、台湾について、衛生福利部中央健康保健暑のまとめによると、65歳以上の人は毎年平均7種類を超える数の医薬品を服用し、うち40%超が、同じ症状について複数の医療機関を受診し、同じ効能の薬剤を処方され、それを服用する「重複服用」のリスクにさらされ、しかも高齢者の多くが非正規ルートで健康食品を購入したり「民間療法」を受けたりするなどの健康危機が形成されていると紹介し、重複服用については日本でも社会的な問題となっているとした。
文章は、日本について、人々の医師への依存度は高いが、医師間の病院の枠を超えた情報共有システムが欠けているため、高齢者が複数の医療機関から同時に似たような薬を処方されるという状況が頻繁に発生しているとし、高齢者は一般的に情報リテラシーが低く、「天然薬草」や「副作用なし」などの広告用語の識別能力に欠けるため、健康食品が薬物治療の代わりになるとの誤解を招いていると指摘。その例として、LINEのグループで拡散している「長寿スープのレシピ」や「自然療法」などのリンクは闇薬物販売サイトにつながっている場合もあり、安価で手軽に購入できるものの安全性は極めて低く、服用後にアレルギーや中毒、肝不全、腎不全などの症状が出た人もいることを挙げた。そして日本では重複服用問題を解決するため医療機関間の医薬品共有プラットフォームが推進されているとした。
文章は、制度の是正や技術支援、文化教育を通じてのみ、こうした状況を解決して安全で責任ある信頼できる高齢化社会を築くことができるとした。(翻訳・編集/柳川)
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