「極寒の最北の街」でも熱中症、宿泊施設も冷房が必須に―中国メディア

Record China    2025年7月18日(金) 20時0分

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黒竜江省の漠河市は中国最北端の街で、冬は極寒、夏は避暑地として知られる。しかし近年になり、夏には猛烈に暑い日が出現し、2024年には熱中症の患者も出た。

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黒竜江省の漠河市は中国最北端の北緯52度から53度の位置にあり、中国での最低気温である零下53度が記録されたことから、「極寒の街」として知られる。また、漠河は夏の避暑地としても人気がある。しかし近年には夏には猛烈に暑い日が出現し、2024年には熱中症の患者も出た。中国メディアの中国新聞社が関連記事を発表した。

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漠河市北部にある北極村で民宿を経営する王志秋(ワン・ジーチウ)さんによると、数年前までは12室ある客室のうち5室にしか空調機がなかったが、ここ数日の暑さを受け、さらに6室に空調機を取り付けたという。王さんは「お客さんに少しでも快適に過ごしてもらえるようにね」と説明した。

観光業を手掛ける黄琴(仮名)さんは、「6月20日は朝晩に綿入れを着るほどでしたけど、21日には突然気温が上がって昼は28度に達して、22日から29日にかけては最高気温が36度から37度にまで上がりました」と説明した。漠河市の場合、中国南部と比べて紫外線量が多いという特徴がある。黄さんによると、「蒸し暑くはないのですが、日差しが非常に強くて、太陽の下に長くいると肌が焼けるように感じます」という。

黄さんは他省出身で、夫が漠河出身だったため5年前にこの地に移り住んだ。黄さんの記憶では、来たばかりの頃の漠河の夏はとても涼しく、最も暑い日でも気温はせいぜい30度ぐらいだった。しかし、24年からは高温の日が明らかに増え、37度から38度の猛暑が突然発生して、何日も続くようになった。

24年には、漠河市内でも熱中症にかかった人が出た。「極寒の街」での熱中症発生は極めて珍しいと考えられ、多くのメディアが取り上げて話題にもなった。

漠河

漠河の都市部では他の中国北部の都市と同様に、必要な建物には集中暖房が導入されている。集中暖房のない農村部では、暖房用にストーブを使ってきた。そのため、夏の暑さ対策としての空調機は、特に必要がなかった。

しかし旅行会社を経営する石萌萌さんによると、今年になって新たに改装したホテルや民宿のほとんどが、空調機を導入した。市内ではかつて、空調機を扱う店すら少なかったが、今ではどの店も在庫を増やしている。石さんは「この2年の高温で、暮らしの習慣もかなり変わりました」と述べた。

漠河は、夏の平均気温は18度程度であることから、夏には「避暑地」として人気を博してきた。現在の夏の気候は、過ごしやすい日が続いたと思えば、突如として猛暑に見舞われるという状況だ。石さんの会社では、高温の日には観光客の屋外活動を日中の暑さを避けた時間に設定するようになった。「避暑」が目的で漠河を訪れる観光客に対して、日中最も暑い時間帯には外出させず、午後3時か4時ごろから行動を始めるよう調整している。かつては考慮しなくてよかったが、今では必要になった配慮だ。

遼寧省気象災害監視予報センターの耿世波主任予報官は、最近中国各地で続いている高温は、地球温暖化のトレンドと密接に関係していると述べた。地球規模の気温上昇という背景があって、各種の極端な気象の発生頻度が増えているという。

耿主任予報官は、現在の中国北部で見られる高温について「西風帯の暖かい空気の高気圧と西北太平洋の副熱帯高気圧という2つの高気圧系が、長期間にわたって地域を支配することで、強い下降気流が発生して雲や雨の形成を抑制しています。そのため晴天の日が続き、高温がもたらされています」と分析してみせた。

耿主任予報官は、夏の旅行を計画している人に向けて、「第1に、目的地の気象部門が発表する高温警報に注意して旅行日程を科学的に計画することです。特に正午など暑さが最も厳しい時間帯の屋外活動は避けてください。第2に、外出時は帽子やサングラス、紫外線防止クリームなどの紫外線対策を万全にすること。さらに、暑さ対策の医薬品や十分な飲料水を持ち歩き、こまめに水分補給を行い、長時間高温にさらされて熱中症になるのを防ぐことが重要です」と呼び掛けた。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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