北京で自動運転モデルエリア拡大へ、テック競争で戦略的最先端分野を狙う―中国

人民網日本語版    2025年7月11日(金) 18時30分

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急速に発展する自動運転技術は従来の移動体験を根本から覆しつつあり、中国企業はこの分野で世界をリードする存在となっている。

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スマートフォンのアプリで目的地を入力すると、すぐに自動運転の乗用車が目の前に到着。乗車すれば車両が自動で発進し、安全に目的地まで乗客を運ぶ。こうした光景がすでに北京をはじめとする複数の都市で現実のものとなっている。中国新聞社が伝えた。

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急速に発展する自動運転技術は、従来の移動体験を根本から覆しつつあり、中国企業はこの分野で世界をリードする存在となっている。

4年超で4段階の発展

北京市政府は2020年9月、北京経済技術開発区(北京亦荘)を中心に、世界初の車・道路・クラウド統合の高度自動運転モデルエリアの建設を決定。「スマートな道路」「賢いクルマ」「リアルタイムのクラウド」「信頼できるネットワーク」「高精度地図」の5大インフラシステムを整備し、経済的かつ合理的な運用モデルを模索しながら、L4レベル以上の大規模自動運転を加速させる狙いだ。

このほど、北京市高度自動運転モデルエリアを取材に訪れた。建設開始から4年以上がたち、現在は第4段階に突入している。

モデルエリアの関係責任者によると、当初の第1段階では双方向10キロメートルの高速道路と12.1キロメートルの都市道路の2路線しかなかったが、第2段階では60平方キロメートルに拡大。さらに24年末の第3段階では経済技術開発区、通州区、順義区を含む600平方キロメートルまでに拡張された。

現在進行中の第4段階ではさらに拡大され、スマートシティインフラとスマートコネクテッドカーの「ダブルスマート」都市の建設に全面的に融合され、「車・道路・クラウド統合」を切り口とする「ダブルスマート」都市の中国発ソリューションの深化を目指している。

25年4月1日には「北京市自動運転車条例」が施行された。同条例では、北京が個人の乗用車による移動、(スクールバスを除く)路線バス・トロリーバス、タクシー、レンタカーといった旅客サービスを含む幅広いシナリオでの自動運転車の活用を支援し、新技術や新製品、新しい交通シナリオやビジネスモデルを検証し、運転および乗車体験を改善し、移動の利便性と走行安全レベルを向上させることが明記されている。

実際、モデルエリアではすでに自動運転によるシャトルバス、清掃車、Robotaxi、無人配送など八つのシナリオの運用が実現している。上述した責任者は、「24年2月には、亦荘地区と大興国際空港を結ぶ自動運転ルートも開通した」と話す。


自動運転はテクノロジー競争の戦略的最先端分野に

中商産業研究院が発表した「2025–30年世界と中国の自動運転業界深度研究報告」によると、23年の世界の自動運転市場規模は前年比29.97%増の約1583億ドル。同研究院のアナリストは25年には2738億ドル規模に拡大すると予測している。

さらに、業界の分析では、中国は世界最大のRobotaxiサービス市場になると予想されており、市場規模は25年に2億ドル、30年には390億ドルに達し、世界のRobotaxiサービス市場シェアの半分以上を占める見通しだ。

世界的には、GoogleのWaymoが早くからRobotaxiに参入しており、中国でも複数の企業がこの分野に注力している。

政策面では、24年7月に工業・情報化部、公安部、自然資源部、住宅・都市農村建設部、交通運輸部が「スマートコネクテッドカー『車・道路・クラウド統合』応用試行事業の実施に関する通知」の取り決めに従い、自主的な申請と組織的評価に基づいて、車・道路・クラウド統合実証試験都市として20都市(都市連合)を選定し、自動運転車の導入を加速させている。

百度(バイドゥ)自動運転基盤モデル部の董芳芳(ドン・ファンファン)上級マネージャーは、「自動運転は今回のテクノロジー競争の中核であり、世界では中米両国だけでなく、多くの国が展開を進めているが、その主導権を握っているのは間違いなく中米だ。今回の科学技術競争では、各社が多大な投資を行い、戦略的最先端分野における優位性を獲得しようとしている」と語る。

董氏は「中国企業はこの分野で米国と並ぶレベルで発展しており、決して遅れてはいない」と指摘する。董氏はさらに、「中国の企業は自動運転分野での展開が早く、発展も速い上、対応する人材と科学技術イノベーションの優位性も備えている。これは単一の技術モジュールではなく、一つの産業だ。技術の推進を通じて、産業チェーン全体の発展とエコシステムの変革をけん引することができる」と展望を語った。(提供/人民網日本語版・編集/ES)

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