第11回尼山世界文明フォーラム開幕―中国

CRI online    2025年7月10日(木) 9時20分

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第11回尼山世界文明フォーラムが開幕しました。

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世界の多様な文明が集い、対話を通じて共に未来を築く——第11回尼山世界文明フォーラムが9日、儒教の発祥地であり、孔子の故郷として知られる山東省曲阜市で開幕しました。

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今回のフォーラムでは「各美其美・美美与共(それぞれの文明を尊重し、その美しさを分かち合う)」を理念に掲げ、世界70カ国以上から約560人のゲストが参加。文明間の相互理解と共生の道を探るグローバルな対話の場として注目を集めています。

国際情勢が大きく揺れ動き、デジタル技術が急速に進化する激動の時代の中、人類文明の新たな在り方を模索することは、これまで以上に切実かつ重要な課題となっています。そうした中で、儒教をはじめとする中国の伝統的な智慧は、新たな文明の方向性を示す精神的な指針となり得ると期待されています。

在日華僑であり、日本孔子世界連合会の事務局長を務める喬丙俊氏は中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)のインタビューで、民間レベルでの文化交流の重要性について、「中日文化交流は、政府間の枠を超えて、もっと民衆の生活の中に溶け込むべき。儒教が心に届く文化として広がっていくことが大切です」と強調し、「日本でも孔子や論語を通じて、中華文明の奥深さが尊重されていることを実感しています。儒教にある『和して同ぜず』の思想こそが、中日両国が互いを理解し合うための最大公約数だと考えています」と語りました。


また、次世代に向けた取り組みとして、中日小学生による交流キャンプを提案。「生活を共にしながら異文化を肌で感じることが大切です。文明の相互理解は、子どもたちの心に種をまくことから始まるのです」とコメントしました。

もう一人の在日華僑代表である日中書法協会の熊峰会長は、2010年の上海万博日本館ではアートアドバイザーを務め、NHK「奇跡のレッスン」にも登場するなど多方面で活躍される書家です。日本在住約30年となる熊会長は、書道という中国の伝統芸術を通じて、漢字に込められた文化的精神や美意識を伝えることに尽力し続けてきました。


文明の相互理解について熊会長は、「書道はパフォーマンスではなく、文化と感情の伝達です。甲骨文・隷書・行書といった書体の変遷を授業に取り入れるなど、若い世代に中華文明に興味と敬意を抱いてもらえるよう工夫しています。教え込むのではなく、漢字の構造や美しさで心を動かすことが重要。文明の共鳴は、自然に生まれるものです」と語りました。

また、熊会長は、中国の若者たちが「“文字を舟に”世界へ文化を運ぶ担い手」となることにも期待をかけ、現在は、儒教思想の原点ともいえる尼山の地で、「漢字の火種」となる新世代育成のための「文化同行者プラン」の立ち上げに取り組んでいます。そして、「文明の未来は、フォーラムの壇上だけでなく、子どもたちの筆先にも宿っています。一本の筆で、中国と外国の文明が共に生きる未来図を描いていきたいと」語りました。

尼山世界文明フォーラムは、中国古代の偉大な思想家・教育家である孔子の生誕地「尼山」の名を冠しています。2010年9月に第1回が開催されて以来、今日に至るまで、中華の優れた伝統文化の継承と発展と全人類に共通する価値観の発信を続け、国際的な人的・文化的交流と協力を促進する重要なプラットフォームとなっています。(提供/CRI

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