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中国の東部沿海地方は例年より早く猛烈な熱波に見舞われている。重要な経済先進地域が熱波に見舞われていることで、経済が悪影響を受ける恐れもあるという。写真は上海市内で撮影。
ドイツメディアのドイチェ・ベレは4日付で、中国の東部沿海地方は例年より早く猛烈な熱波に見舞われていると報じる記事を発表した。重要な経済先進地域である東部沿海地方が熱波に見舞われていることで、経済が悪影響を受ける恐れもあるという。
中国の東部沿海地方は4日、猛烈な熱波に見舞われた。5日以降も1週間にわたりセ氏37度から39度の高温に直面する見通しだ。気象当局は安徽省、浙江省など中国東部、さらに中国中部に位置する湖北省や河南省の一部地域では気温が40度を超える可能性があると警告した。
中国では古くから、猛暑に特に警戒する時期として「三伏の日」という考え方があった。通常は7月中旬から8月末までで、人々は古来、行動に際しても猛暑の影響を低減するように工夫した。中国人は2000年以上前から「三伏の日の猛暑対策」を心がけてきたという。しかし最近では、7月上旬には猛暑に見舞われることが珍しくなくなった。30歳になる上海市住民の一人は「最近では暑くなる時期がどんどん早まっています」「私は子どものころの爽やかな天気のほうが好きでした。記憶にある夏はとても涼しかった。今は本当に暑すぎます」と語った。
極端な高温は、中国の政策決定者にとって重大な課題だ。農地が焼けて農民の収入が減るだけでなく、高温は製造業の稼働に悪影響を与え、主要港湾都市の物流を混乱させ、すでに重荷となっている医療体制にもさらに負担をかける。
今年の熱波は、中国の電力網にとっても試練をもたらしている。中国中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)によれば、7月4日には中国全国の最大電力負荷が前年の同時期よりも約1億5000万キロワット多い14億7000万キロワットに達した。中国東部では、電力負荷が4億2200万キロワットに達し、うち約37%が空調による電力消費だった。
英シンクタンクのエコノミスト・インテリジェンス・ユニットでエネルギー問題と気候変動を専門とするチム・リー上級アナリストは、中国南西部の四川省の降水量が例年を下回っていることにも注目した。四川省は地形と気候に恵まれたことで水力発電が盛んだ。しかし降水量の不足が水力発電の能力に影響して、東部への送電能力も低下すると考えられるという。
中国は2022年、1961年以来で最も深刻な熱波を経験した。多くの地域で6月中旬から8月下旬にかけて79日間にわたる高温が続いた。政府は死者数を公表しておらず、高温による死亡統計制度も設けていないが、国内メディアが地方政府の発表を引用して死亡事例を伝えることはある。医学誌「ランセット」が23年に発表したリポートによれば、22年の中国における熱波関連の死亡者数は推定で、前年の2倍の5万900人だった。
中国では、東部地区が高温にさらされている一方で、他の地域では豪雨が発生している問題もある。四川省成都市では3日、豪雨のために市内の道路の一部が水没するなどの被害が出た。道路脇には水没した多くの乗用車がとり残された。ゴムボートで道路を移動する市民もいた。気象関連の専門家は、中国東部の異常な高温も四川省などでの豪雨も、気候変動に起因すると分析している。(翻訳・編集/如月隼人)
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