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第一財経は、中国でブルーオーシャン分野として注目されているペット保険市場の現状と課題について報じた。
中国メディアの第一財経は、中国でブルーオーシャン(競合相手が少ない分野)として注目されているペット保険市場の現状と課題について報じた。
記事は、昨年中国で飼育されているペット(犬、猫)が1億2000万匹を超え、都市部のペット消費市場規模が3000億元(約6兆元)を突破したと紹介。一方で、ペットの治療費は1回の診察あたり2500元(約5万円)前後と非常に高額になっているため、ペット保険の注目がますます高まっているとした。
そして、中国のペット保険市場規模が2017年の2億1000万元(約42億円)から21年には33億7000万元(約674億円)へと急速に拡大しているものの、ペット保険の普及率はわずか1%未満であることから、今後の大きな成長が期待されるブルーオーシャン市場とみなされていることを伝えた。
一方で、前途洋々のペット保険市場にあっても、発展していく上での大きな課題が存在しており、最たるものが保険会社側の「高コスト」、消費者側の「少ない保険金」というジレンマだと指摘。消費者側からは「6000元(約12万円)の治療費に対して保険金が1500元(約3万円)しか出ない」といったような不満が多数寄せられており、保険会社から見るとペット保険は保険金支払い率が非常に高く、赤字経営の会社さえあると説明した。
その上で、消費者側と保険会社側それぞれが不満を抱える状態に陥っている最大の原因が、「ブラインドボックスを開けるようなもの」と揶揄(やゆ)されるほどのペット医療市場の不透明さ、これに伴う不正行為の横行、そして不適切な保険料設定にあると分析。ペット医療業界の乱れはコストの増加に直結し、保険料の設定では品種や年齢、体格を問わず一律の保険料を定めていることが問題だと指摘した。さらに、免責事項や給付上限額などの詳細な契約内容を消費者が十分に把握していないこともトラブルを招く一因になっているとした。
記事は、ペット保険市場が抱える多くの問題を解決し、健全な発展を実現するためには保険会社だけでなく医療機関や学術機関、消費者といった各方面からの協力による業界の規範化が必要だと指摘。ペット医療業界との積極的な連携や、診療プロセスの透明化、治療計画の規範化、データに基づく合理的な保険商品と価格の設定、ペット保険業界内における保険商品の設定や保険適用に関する各種指標の標準化などが求められると論じた。(編集・翻訳/川尻)
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